主要非鉄37社4~9月期業績ランキング、半導体回復遅れなどで27社減益。ROS首位は大阪チタニウム
鉄鋼新聞社調べによる主要非鉄企業37社(流通企業などは除く)の2023年4~9月期(一部1~6月期と3~8月期含む)業績ランキングがまとまった。自動車関連需要の一部で回復傾向が見られたものの、銅などの非鉄金属価格の下落影響や原燃料価格などのコスト上昇、半導体関連需要の回復遅れなどから37社中23社が減収、27社が減益(赤字転換含む)となった。経常利益ランキングではJX金属が首位。売上高経常利益率(ROS)ランキングでは唯一10%超となった大阪チタニウムテクノロジーズがトップだった。 37社の売上高合計は約8兆552億円で、前年同期に比べ2・2%(約1816億円)減少した。 経常利益は37社合計が約3500億円で同36%(約1969億円)の減少だった。電子部品関連などの需要低迷や原燃料・副資材価格などのコスト上昇、非鉄金属価格の下落に伴う在庫評価影響などから全体の7割超に相当する27社が減益となった。 ROS平均は、黒字企業30社で5・28%となり、前年同期の6・78%(黒字企業32社平均)から低下した。ROSが10%超となったのは1社のみで、前年の5社から4社減少。5%超は14社で前年の17社から3社減少した。 ROS10%超となった大阪チタニウムは航空機需要増加に伴うスポンジチタンの増販や製品値上げ、円安効果などが増益に寄与した。 業種別で見ると、非鉄製錬大手は8社中7社が減益。銅や亜鉛、白金族金属などの価格下落や燃料費などのコスト上昇、半導体関連需要の減少などが響いた。一方で古河機械金属は機械事業の増益に加え、金属部門の委託製錬収支の改善などから増益となった。 電線大手はエレクトロニクス・情報通信関連の苦戦が目立った。住友電工、フジクラ、古河電工の3社が損益悪化。一方、SWCCは建設関連が堅調だったことなどから増益となった。 アルミ圧延大手は自動車関連需要が堅調だったが、半導体製造装置向けの低迷や缶材需要の停滞などから3社中2社が減益。一方、日本軽金属ホールディングスはトラック架装品やパネルシステムなどの需要回復などから経常増益となった。