思わず目移りしちゃう…台湾BLは若手俳優の登竜門、BL出身のイケメン俳優5選
近年、アジア発のBLドラマが世界で注目されているが、その中で台湾BLドラマはカップルが心を通わせる過程を温かく描き出し、そこから醸し出されるときめきと癒やしで独自の存在感を放っている。 【画像】台湾イケメン俳優フェンディ・ファン、 「輝く君に~The way you shine~」より そんな登場人物の心の機微に重きを置く台湾BLドラマは、若手俳優にとって多くの学びがあり、一種の「若手俳優の登竜門」でもあるという。 ということで、今回の記事では、新人時代にBLドラマを経験し、その後ブレイクした俳優をピックアップ。彼らの活躍を「出世作」となったBLドラマ、及びその後の最新作を交えて紹介したい。 ■「台湾男神」と称される正統派イケメン フェンディ・ファン(范少勳) 1993年11月4日生まれ 身長:180cm Instagram:@fan82114 台湾BLドラマ界を牽引するシリーズの一つ「HIStory」の第二弾「HIStory 2 越界 ~君にアタック!」(2018)に主演してブレイク。少年のような雰囲気をまとうと同時にワイルドな色気をあわせもち、台湾では女神ならぬ「台湾男神」と称されている。 「HIStory 2 越界」では、喧嘩っ早いが情に厚い男子高生・夏宇豪(シア・ユーハオ)を熱演。物語は宇豪がバレーボール部の邱子軒(チョウ・ツーシュアン)に選手としての才能を見初められ、熱心に勧誘されるうちに……と展開していく。ときめきいっぱいの爽やかな学園ラブの中、最後のキスシーンの幸せオーラと色気はもう直視できないほど! 鮮烈な印象を残した。 翌年2019年に、バスケットボール少年の揺るぎない兄弟愛を描いた映画『運命のマッチアップ』に主演し、台湾版アカデミー賞こと第56回金馬賞で最優秀新人賞を受賞。その後、ドラマや映画の主演を重ね、最新作『鯨が消えた入り江』では、香港を代表するイケメン俳優・テレンス・ラウとW主演。同作は運命の出会いをした男性二人を描いたロードムービーなのだが、友情より深く、しかし愛というには曖昧な二人の関係に多くの人が涙した。台湾では「現代における知己の姿」と絶賛されている。 ■日本で見られるフェンディ・ファンの出演作 ・ドラマ「HIStory 2 越界 ~君にアタック!」プライムビデオほか(見放題) ・映画『運命のマッチアップ』プライムビデオほか(見放題) ・映画『ママボーイ』プライムビデオほか(見放題) ・ドラマ「模倣犯」Netflix(見放題) ・映画『孤独 不倫の代償』プライムビデオほか(見放題) ・ドラマ「輝く君に~The way you shine~」Huluほか(見放題) ・映画『鯨が消えた入り江』Netflixほか(見放題) ■日本と台湾、グローバルに活躍中 YU 1995年1月3日生まれ 身長:182cm Instagram:@y01_u03 愛知県出身で、日本人の父と台湾人の母を持つYUは、大学進学を機に台湾へ移住し、2018年に現地の芸能事務所の研修生を経て「We Best Love 永遠の1位」「We Best Love 2位の反撃」(2021)に主演してドラマデビューを飾る。 「We Best Love」シリーズでは、リン・ズーホン(林子閎)演じる天才・仕德(シードー)のせいで、小学校の頃からどんなに努力しても「万年2位」に甘んじていた青年・書逸(シューイー)役に。でもシードーが1位を死守するのは名前だけでも並びたいという切ない思いがあって……YUはシューイーこじれた感情を見事に演じ、二人の絡まった想いがほどけていく過程が同作の大きな見どころになった。その後に迎えたキスシーンはドラマ史上屈指の美しさと絶賛されている。 「We Best Love」の公開後の2021年8月より、日本での活動も開始。ドラマ「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」(2022)、映画『みーんな、宇宙人』(2024)への出演や音楽活動などを行なっている。日本の作品への出演を重ねながら、台湾でもドラマ「地獄里長(原題)」(2023)に謎の殺し屋役で出演。普段の爽やかな印象とのギャップでファンを虜にした。今後もグローバルな活躍が期待される。 ■日本で見られるY Uの出演作 ・ドラマ「We Best Love 永遠の1位 / 2位の反撃」プライムビデオほか(見放題) ・ドラマ「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」Hulu(見放題) ・ドラマ「何曜日に生まれたの」プライムビデオほか(見放題) ・ドラマ「MALICE」U-NEXTほか(見放題) ■憂いをたたえるフェロモン系男子 エドワード・チェン(陳昊森) 1996年8月2日生まれ 身長:身長182cm Instagram:@chenhaosen802 台湾BLブームに先駆けて公開された名作「赤い風船」(2017)で、高校の寮のルームメイトに惹かれるも周囲の大人たちに引き離されてしまう優等生役を演じて頭角を表す。そしてストレートの男性と女性、ゲイの3人の体と心が入れ替わってしまうLGBTQラブコメ「美男魚(マーメイド)サウナ ~魂に♂♀なし~」(2018)を経て、LGBTQ映画『君の心に刻んだ名前』(2020)で同性愛に理解のない時代の台湾を舞台に友人と惹かれ合う高校生を演じ、一世を風靡。 憂いに満ちた瞳と全身から醸されるフェロモンで圧倒的な存在感を見せた。また台湾芸能界きっての美筋肉の持ち主としても知られ、「マーメイドサウナ」と『君の心に刻んだ名前』の入浴シーンではその美しいボディを惜しげもなく披露している。 その後、台湾原住民アミ族の神話をベースとしたラブストーリー「最後の雨が降るとき」(2021)など話題作から、冤罪を訴える元野球選手役で出演した『罪の後』(2022)のような社会派作品まで活動の幅を広げている。再び高校生役に挑んだドラマ「個人授業~Lesson in Love~」(2022)では女性教師との禁断の愛に突き進む男子高生を熱演し、同作は台湾で “神ドラマ” と高く評価された ■日本で見られるエドワード・チェンの出演作 ・ドラマ「美男魚(マーメイド)サウナ ~魂に♂♀なし~」プライムビデオほか(見放題) ・映画『君の心に刻んだ名前』Netflix(見放題) ・ドラマ「最後の雨が降るとき」プライムビデオほか(見放題) ・映画『罪の後』Netflixほか(見放題) ■見守り系男子役で大ブレイク パトリック・シー(施柏宇) 1996年8月9日生まれ 身長:184cm Instagram:@patrick8589 「HIStory 2 越界 ~君にアタック!」にサブカップル役で出演。惹かれあっていく血の繋がらない兄弟の関係性を丁寧に演じて反響を呼ぶ。そのピュアなイメージが注目され、「時をかける愛」(2018)でメインキャストに抜擢。主人公二人を見守る同級生役を演じ、作品と共に大ブレイクした。 近年はホラー映画「呪われの橋2」(2023)、実在の犯罪に着想を得た「台湾・クライム・ストーリーズ」 (2023)などに挑戦。最新作「同棲散策(原題)」(台湾で2025年配信予定)では初の新婚夫婦、それも “クズ夫” 役とあって、優しい印象のパトリックがどう演じるのか期待が集まっている。 ■日本で見られるパトリック・シーの出演作 ・ドラマ「HIStory 2 越界 ~君にアタック!」プライムビデオほか(見放題) ・ドラマ「時をかける愛」プライムビデオほか(見放題) ・映画『呪われの橋2』Netflix(見放題) ・ドラマ「台湾・クライム・ストーリーズ」 Disney+ほか(見放題) ■誰もが認める「BLの天才」 アーロン・ライ(賴東賢) 1992年2月24日生まれ 身長:181cm Instagram:@aaron_lai_224 台湾の最高学府・国立台湾大学在学中、高校の水泳部を舞台にしたドラマ「飛魚高校生」(2016)に出演し、水泳に情熱をそそぐチームメイトを好演。ラグビーで鍛えた美しい肢体にも注目が集まり、ブレイク必至の若手俳優と賞賛される。 その後、"恋人(♀)を亡くした男×その死んだ恋人が乗り移った男"というファンタジーBL「HIStory マイヒーロー」(2017)に主演してブレイク。アーロン演じる亡き恋人を忘れたわけではないのに、目の前にいる男性にどうしようもなく惹かれていく青年の姿に視聴者は釘付けになった。ブレイク後はドラマ、バラエティ、CMなど多方面に活躍。 2019年に交通事故で重傷を負い、一時活動を休止するも、BLドラマ「Be Loved in House 約・定~I Do」(2021)に主演し俳優復帰を果たす。純愛を描いた「HIStory マイヒーロー」に対し、「Be Loved in House 約・定」が描いたのは大胆な大人の恋。タイプが異なる作品とは言え、再度BLドラマのオーディションに臨んだ理由は、俳優として演じたい役があればトライしたいという気持ちからだという。 ほかBLドラマは「隔離が終わったら、会いませんか?」(2021)、「正負之間~Plus & Minus」(2022)、「奇蹟」(2023)に特別出演を果たしており、「BLの天才」の異名を持つ。 ■日本で見られるアーロン・ライの出演作 ・ドラマ「飛魚高校生」プライムビデオ(見放題) ・ドラマ「HIStory マイヒーロー」FODほか(見放題) ・ドラマ「Be Loved in House 約・定~I Do」プライムビデオほか(見放題) ・ドラマ「隔離が終わったら、会いませんか?」プライムビデオほか(見放題) ・ドラマ「正負之間~Plus & Minus」プライムビデオほか(見放題) ・ドラマ「奇蹟」FODほか(見放題) ・ドラマ「最後の雨が降るとき」プライムビデオほか(見放題) このように数多くの俳優が台湾BLドラマから羽ばたいており、台湾でもBLドラマが「若手俳優の登竜門」という認識は定着していると言えるだろう。 その証拠に現在のBLドラマのオーディションにはブーム前の何十倍もの応募があり、新作を見るたびに「こんな俳優がいたのか!」と若手俳優の層の厚さを感じることもしばしばだ。作品を通して明日のスターを探してみるのも、台湾BLドラマの楽しみ方の一つだろう。 文/沢井メグ