旧友に連絡する高い壁、越えやすくする「練習法」が判明、思った以上に相手は喜ぶとも
SNSでつながりを維持する
SNSは休眠状態だったつながりを復活しやすくする一方で、つながりを希薄にする側面もある。今回の研究では、旧友に抱く親しみは連絡のしやすさにつながるという結果が出ており、SNSは親しみの維持に役立つ可能性がある。「SNSで目にする人々は私たちの頭、あるいは少なくともフィードをよぎり続けます」とアクニン氏は話す。 しかし、ラビアンカ氏によれば、SNSは表面的に旧友とのつながりを保つ助けになるかもしれないが、旧友とのつながりを完全に復活させるには、実際に会話することが必要だという。つまり、電話や対面でリアルタイムに反応し合うということだ。 旧友と連絡を取りたいがためらっているなら、それはあなただけではないとアクニン氏は述べている。むしろ、あなたは多数派だ。アクニン氏によれば、今回の研究で行ったようなウォーミングアップが役に立つという。アクニン氏は、現在の友人にメッセージを送ることに慣れてから、しばらく連絡を取っていない人に宛先を変更し、送信ボタンを押すよう提案している。 おそらくあなたが思っている以上に、メッセージを受け取った相手は喜ぶだろう。米ピッツバーグ大学の心理学者ペギー・リウ氏らの研究によれば、私たちが考えているより、人々は誰かから連絡が来ることを喜んでいるようだ。 「驚きは私たちの感情を増幅させる傾向があります。つまり、連絡を受けた人は、その驚きによってうれしい気持ちが大きくなるのです」。なお、リウ氏も今回の研究には参加していない。 「相手は再びつながることを望まないのではないかと、人々は恐れています」とラビアンカ氏は話す。「ほとんどの場合、これは私たち自身の考えにすぎません。実際に連絡を取ってみれば、相手が再会を喜んでいるとわかり、驚くでしょう。そして、それは試してみる価値があります」
文=Olivia Ferrari/訳=米井香織