キャリントン(米国)が”挑戦状”たたきつけていた井上尚弥に向けて試合後にお辞儀で対戦アピール
渡米中の世界4団体スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一王者・井上尚弥(大橋)が8日(日本時間9日)、ニューヨーク・マジソン・スクエア・ガーデンで行われた共同プロモーターのトップランク社が主催した興行を観戦した。 セミファイナルのフェザー級(57・1キロ以下)10回戦では、尚弥に挑戦状をたたきつけていたWBO世界同級4位、WBC7位、IBF12位のブルース・キャリントン(米国)がブライアン・デ・グラシア(パナマ)と対戦。接近戦からダウンを奪った後の連打で8回TKO勝ちしたキャリントンは試合後、会場にいた尚弥に日本流のお辞儀。尚弥も笑顔で手を振った。 米専門メディア「ボクシング・シーン」は3日(同4日)、キャリントンが「私たちのスタイルはかみ合うだろうから、多くの人が126ポンド(約57・15キロ=フェザー級)で井上との試合を見たいだろう」と発言したことを報じた。「まさに天が与えた試合になる。私は126ポンドのままで、彼との対戦のために待つつもりだ。私のキャリアの中で、実現する可能性があるビッグマッチの1つになるだろう」と対戦を熱望した。 「彼に何が欠けているかはわかっているし、自分の武器を生かしてそれをどのようにさらけ出すかわかっている」と尚弥の弱点を把握していると豪語。「もちろん、今は時期尚早だとはわかっている。しかし、その時がきたら、すでに準備ができているはずだ。これは、人々が何十年も記憶し、孫に語り継ぐようなビッグファイトになるだろう」と自信満々に語っていた。 IBF世界王者のルイスアルベルト・ロペス(メキシコ)らフェザー級の選手からラブコールを送られる尚弥だが、先月29日の練習再開時に「やりたいんだったら、お前らが(階級を)下げてこいという話」と一喝した。しかし、この日、米スポーツ専門局「ESPN」のインタビューで「上げる時が来たらそういう案も一つ考えています。しっかり、フェザー級の体というものになったときに考えます」と発言したように、将来的には階級を上げる意向を持つだけに、挑戦状をたたきつけてきたキャリントンの試合を生観戦し、改めてどんな思いを持ったのだろうか。 戦績は31歳の尚弥が27戦全勝(24KO)。 27歳のキャリントンが12戦全勝(8KO)、30歳のグラシアが29勝(25KO)3敗1分け。
報知新聞社