セカオワ Fukase、Creepy Nuts DJ松永、flumpool 山村隆太、Gackt……俳優としても活躍するマルチな才能
間宮祥太朗、佐藤二朗に絶賛されるDJ松永(Creepy Nuts)の演技
■DJ松永(Creepy Nuts)の演技を、間宮祥太朗、佐藤二朗が絶賛 DJ松永(Creepy Nuts)も、アーティストイメージをあまり感じさせず、物語や役とシンクロするタイプの俳優と言える。 映画『浅草キッド』(2021年)では町工場の従業員役、ドラマ『不適切にもほどがある!』(2024年/TBS系)では令和から昭和へタイムスリップして1986年の中学生たちにヒップホップ曲を披露する大学生役を務めた。両作品ともに、隣には相方のR-指定がいた。R-指定は長髪、髭など、見た目の濃さもあってか、パッと映るだけでも“Creepy Nuts感”が立ちのぼる。ただDJ松永は、どんな時代にも、どんな立場にも“いそうな人”という雰囲気があり、物語にスッと溶け込む。特に象徴的だったのが、映画『変な家』(2024年)だ。同作では、オカルト専門の動画クリエイター・雨男(間宮祥太朗)のマネージャーである柳岡さんに扮し、その演技について共演者の間宮、佐藤二朗が、「柳岡の無機質な性格をDJ松永が見事に表している」というふうに語っていた(※3)。DJ松永は、キャラクターとしての無機質さはもちろんのこと、「どんな役にもなりきれそう」という点で“俳優”としての無機質さも持っている。良い意味で、アーティストイメージが役に介入していないのだ。そう考えるとDJ松永は、どんなタイプのキャラクターにでもなりきれる柔軟性があるように思える。 広く知られているミュージシャンたちは、やはりステージでも際立った存在感を放つもの。その才能や経験は、映画、ドラマなどに表現の舞台を移しても損なわれることはない。だから観客は、その一挙手一投足に目を奪われる。日本ではこれまでも、『太陽を盗んだ男』(1979年)の沢田研二、『コミック雑誌なんかいらない!』(1986年)の内田裕也、『野火 Fires on the Plain』(2015年)の中村達也らが、傑作と言える日本の作品で名演を披露してきた。2024年で言えば、ドラマ『地面師たち』(Netflix)のピエール瀧も『日本アカデミー賞』助演俳優賞級の好演だろう。今後はどういったミュージシャンたちが演技の世界へ足を踏み入れるのか。アーティストの俳優としての一面、その演技に注目したい。 ※1:https://www.cine.co.jp/hoyaman/index.html ※2:https://www.lmaga.jp/news/2023/11/753612/ ※3:https://www.youtube.com/watch?v=ucKNzG1Wozg
田辺ユウキ