パリで活躍したデザイナーがようやく見つけた終の棲家
墨絵アーティストの藤澤龍一さんが見つけたのは、伊豆の瀟洒な一軒家。青春時代を送ったパリ、イベントプロデューサーとして活躍していた東京での暮らしとはまったく趣を異にする、穏やかな時間に心癒されているそうです。 モテる我が家の作り方
「初めて物件を見た時に、あ、ここだと確信しました」
働き盛りの30~40代から、人生の後半を見据える50~60代へ。誰しもライフステージの変遷を経験しますが、その変化に伴い住居や環境を変えていくことができたら理想的です。幼いころからファッションが大好きでデザイナーになりたかった青年はパリへ行き、憧れのデザイナーのもとでモードを学びました。帰国後、ファッションブランドのPRやマーケティング職を経て、ラグジュアリーブランドのイベントや商業空間をプロデュースする会社を設立。プロデューサーとして寝る間も惜しんで働いた壮年期は、東京・新宿のマンションで暮らしていました。
そして今、会社代表としてのプロデュース業をリタイアし、一個人としてさまざまなプロジェクトのプロデュースや墨絵アーティストとして活躍する藤澤龍一さんは、相模湾を見下ろす一軒家を購入。日々、穏やかな海から昇る朝陽に心癒され、四季折々の自然を間近に感じることでますます創造意欲をかきたてられているそうです。
築20年ほどの日本建築家屋をリノベーション
会社を2014年にたたみ、これからは少しゆっくりしようと思っていた藤澤さん。都会での便利なマンション暮らしも良いけれど、もう少し自然を感じられる場所に別宅が欲しいとずっと考えていたんだそう。
「その頃は母も東京にいたので、行き来が簡単にできるアクセスのよい土地。海が見えること。それから大好きな温泉があること。そんな条件で探していたんですが、なかなかいい物件に出会えませんでした」
そんな折にふと出会ったのは当時築17年だった純日本家屋。「建築家だった前のオーナーさんは別荘として使っていたそうですが、あまり来ていなかったのか、ほとんどダメージがありませんでした。見た瞬間、あ、ここだなと確信して。襖やブラインドなどは自分好みにリノベーションして、東京のマンションと二拠点生活しています」