エアコンは「クリーニング」すると、電気代の節約になると聞きました。1年間でどのくらい“電気代”が安くなるでしょうか?
エアコンの内部は普段目にすることが少ないため、どれだけ汚れているかあまり意識がいかないところです。しかし、エアコンのお手入れが行き届いていると、電気代の節約になるという話を聞いたことはありませんか。エアコンクリーニングをついつい後回しにしていて、電気代が余計にかかっている人もいるかもしれません。 本記事では、エアコンを適切に掃除して使用した場合と、汚れたまま使用した場合の電気代の差を検証します。 ▼エアコンを「24時間」つけっぱなしだと、電気代はいくらかかる? 1ヶ月の電気代を試算
エアコンの掃除を怠るとどうなる?
エアコンは、吸い込んだ空気をエアコン内部で温度調整して吐き出すという仕組みです。空気中のほこりなども一緒に吸い込むため、エアコン内部はほこりなどの汚れが溜まりやすくなっています。 エアコンのフィルターや熱交換器が汚れていると、通気性が悪くなり、空気を吸い込みにくくなります。すると、風量が弱まり、長時間フルパワーで稼働することになるため、電力を多く使います。 環境省の資料によれば、フィルターが目詰まりしていると、冷房時で+4%、暖房時で+6%の消費電力が余計に使われます。そのため、2週間に一度のフィルター掃除が推奨されています。 また、自身でフィルター掃除をするほか、1年に一度は業者に依頼し、本格的なエアコンクリーニングを行うことで、電気代の節約だけでなくエアコン本体の寿命を伸ばすことにもつながるとされています。 なお、専門業者によるエアコンクリーニングの費用の目安は、掃除機能のない機種で1万円前後、掃除機能がついている機種で2万円前後です。
エアコンクリーニングで電気代はどのくらい節約できる?
では、エアコンクリーニングを定期的にした場合と、掃除をせずに使った場合で、電気代がどのくらい節約できるのか検証します。ここでは「フィルターの詰まり」程度ではなく、より内部が汚れている状態を想定します。内部が汚れている状態と判断する目安は次の通りです。 ●エアコンの効きが悪くなったと感じる ●吹き出し口にほこりや黒い斑点(カビ)が見える ●吹き出し口から嫌な臭いがする このような状態のときは、快適にエアコンを使用できないだけでなく、正常時と比べて電力を余計に消費しています。 ダイキンの「ルームエアコン うるさらX(AN284ARS-W)」で実際の電気代を計算してみます。同社が公表している仕様によると、冷房時および暖房時の年間の標準的な消費電力は次の通りです。 ●消費電力量冷房時期間合計:224kWh ●消費電力量暖房時期間合計:555kWh エアコン内部が汚れている場合の消費電力は、冷房時が+4%、暖房時が+6%のため、それぞれ次のようになります。 ●消費電力量冷房時期間合計:約233kWh ●消費電力量暖房時期間合計:約588kWh 全国家庭電気製品公正取引協議会によると、現在の電力料金目安単価は31円/kWhです。そのため、冷房時および暖房時の電気代は図表1のようになります。 図表1