仙台育英の先発・向坂、自らの一打で狂った歯車 最後に得た「財産」 交流試合
2020年甲子園高校野球交流試合は第4日の15日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場であり、第3試合は倉敷商(岡山)が仙台育英(宮城)に6―1で逆転勝ちした。 【写真特集】仙台育英vs倉敷商 自らのバットで勢いに乗るはずだった。四回無死一、三塁で、仙台育英の先発左腕・向坂が左翼線へ先制適時打。しかし、この一打が大切な投球の歯車を狂わせた。 三回までの無失点投球が一転、球の切れが落ち始めた。「走塁後の投球で疲労や暑さがあり、スタミナ不足が顕著に出てしまった」。生命線の低めの変化球も相手に見極められ、四回以降、4イニング連続失点。結局、10安打を浴び、6失点して七回途中で降板した。 昨夏の甲子園8強入りメンバーが数多く残る仙台育英だが、向坂は甲子園のマウンドを踏んでいない。今春のセンバツも新型コロナウイルスの影響で中止。自身初の大舞台に「多少の緊張感も合わさって、終盤にどっと疲れがきた」と振り返った。 「チームとして絶対に勝ちたかった一戦だったが、それ以外は財産になった」と向坂。最後の試合はほろ苦くも、実りのある結末となった。【新井隆一】