６月に北朝鮮を訪問したプーチン大統領。金正恩総書記との関係は最近ぐんと近づいている　Photo： Sputnik / Vladimir Smirnov / Pool via REUTERS

北朝鮮はウクライナに侵攻したロシアを支援するために地上部隊まで投入している──韓国とウクライナの情報当局がそう発表したことを受け、国際社会で緊張が高まっている。 【画像】北朝鮮のロシア派兵は「第二次朝鮮戦争に備えて実戦経験を積むため」

ゼレンスキー「世界大戦への第一歩だ」

韓国の国家情報院は10月18日、北朝鮮の特殊部隊1500人ほどがロシア極東のウラジオストクで訓練を受けているのを確認したと発表した。同部隊は8日から13日にかけて、ロシア海軍によってウラジオストクの港に移送されたという。 「北朝鮮兵士は適応訓練を終え次第、前線に配備される見込みだ」と国情院は述べ、さらに多くの北朝鮮兵がまもなくロシアへ送られる予定だとの見方も示した。 国情院によれば、北朝鮮の兵士らはロシア軍の軍服と武器、偽造IDを与えられており、ロシア兵になりすまして戦う計画のようだ。 この発表の前日には、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、1万人規模の北朝鮮兵士が参戦の準備をしている情報があるとして、「これは世界大戦への第一歩だ」と危機感を募らせた。 その数日後、ウクライナ当局は、北朝鮮の兵士らがロシア国内の訓練施設で装備品などを受け取っている様子だとする動画をSNSで公開した。 これらの情報が確かであれば、北朝鮮が外国の戦争に大規模に派兵する初のケースとなる。

北朝鮮兵はウクライナで「現代の戦争」を学ぶ

一方、米政府とNATOはこの大規模派兵について、いまのところ確認が取れていないと発表している。 ただし、米紙「ニューヨーク・タイムズ」によれば、北朝鮮からロシアへ短距離弾道ミサイルなどの武器が供与されているのはほぼ間違いないと、米情報当局者や米軍関係者はみている。そうした武器の運用と性能の確認を目的として、北朝鮮の技術者たちも派遣されているという。