阪神困惑”新型コロナ感染問題”を巡る「誤解とデマ」
新型コロナウイルス感染が発覚した阪神の藤浪晋太郎(25)、伊藤隼太(30)、長坂拳弥(25)の3人が参加していた”新型コロナ感染疑惑パーティー”に加わっていた残り4選手の動向を巡ってネット上では”デマ””誤解”のニュースが飛び交い球団を悩ませている。 “新型コロナ感染疑惑パーティー”とは、3月14日に、大阪市内の知人宅で12人以上が参加して開かれたパーティーのこと。ここに阪神の選手7人が参加し、そのうちの藤浪、伊藤、長坂の3人の陽性反応が確定し、同じく、この場にいた3人の女性及び、伊藤の夫人とみられる同居人にも陽性反応が出て合計で7人もの感染者が発生した。クラスターとも解釈できるような疑惑の発生源である。 だが、阪神サイドが「誤解がある」と困惑しているのが、残る4選手が濃厚接触者であると確定されているような報道だ。実際、感染が判明した伊藤がナゴヤ球場で20日から22日まで行われた中日2軍との練習試合に出場していたことで、接触した2選手の自宅待機や、施設の消毒などの対応を余儀なくされた中日や、他球団からは、その場にいた残る4選手を濃厚接触者と見なして「なぜPCR検査を受けないのか?」という声も起きている。 中日の幹部は「症状がなく保健所の指示もないのにPCR検査は受けられない。PCR検査を受けたくても受けられない現状で、検査を受ければ野球選手だけ特別と見られるかもしれないし、阪神さんの姿勢は理解できる」と、理解を示しているが、その対応に対する不満の声は、球界関係者の間から強くなっている。 しかし、国立感染症研究所の感染症疫学センターが示している「濃厚接触者」の定義には、この残る4選手は、当てはまらないのだ。同文書には、濃厚接触者とは「患者(確定例)」が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である」とされ、(1) 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を 含む)があった者、(2)適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者、(3) 患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者、(その他) 手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として 2 メートル)で、必要な感染予防策なしで患者(確定例)と接触があった者(患者の症状などから患者の感染性を総合的に判断する)となっている。 つまり「患者が発病した日以降に接触した者」と定義されている濃厚接触者の条件は、この4人には、あてはまっていない。ちなみに患者の定義は「臨床的特徴等から新型コロナウイルス感染症が疑われ、かつ、検査により新型コロナウイルス感染症と診断された者」とある。