4年ぶりに航空防除 果樹害虫ミカンコミバエ確認の徳之島
タンカンなどの果樹の害虫ミカンコミバエが複数地点で確認された鹿児島県徳之島で、県などによる航空防除が6日から始まった。徳之島での航空防除は4年ぶり。今月下旬までの間、ヘリコプターから誘殺板約3万枚を投下する予定で、初日は約7500枚を投下した。県経営技術課は「島内で確認が散発している状況。初動が重要なので国や島内3町と協力してまん延防止に全力を尽くす」としている。 天城町浅間の徳之島空港では同日午前9時半ごろ、航空防除の準備のために関係者らがヘリコプターに誘殺板などの資材を積み込んだ。ヘリは約30分後に離陸。同課によると井之川岳、犬田布岳などの山地を中心に誘殺板を投下したという。 誘殺板は4・5センチ四方に固めた木材繊維にミカンコミバエの雄を引き寄せる物質と殺虫剤を染み込ませたもの。航空防除は集落内や田畑、水源地などを除く、山間部を中心に実施し、今後、天候を見ながら10日間程度をかけ、1ヘクタール当たり3枚を投下する計画。 ミカンコミバエは体長7ミリの小型のハエ。タンカン、マンゴーなどの果実に卵を産み付け、果実内で幼虫の食害が進むと果実が腐敗する。繁殖力が強く、多くの植物に寄生することから植物防疫法で検疫有害動植物に規定されている。