春節映画の興行収入が最高成績、しかし数日で上映中止の作品も
【東方新報】春節(旧正月、Lunar New Year)の中国では、国内映画史上最高の興行収入を記録した。 中国映画産業の最高監督機関である中国電影管理局の統計によると、2月10日から17日までの連休期間中、1億6300万枚のチケット販売で80億2000万元(約1674億3675万円)の興行収入を記録し、前年同期比でそれぞれ18.47パーセント、26.36パーセント急増した。 安藤サクラ(Sakura Ando)主演の日本映画『百円の恋』のリメーク版で注目を集めた『熱辣滾燙(英題:YOLO)』は、より良い自分になろうと努力する女性を主演・監督を務めた賈玲(Jia ling)自身が演じたコメディで、27億2000万元(約567億8653万円)を稼ぎ、春節映画の興行収入ランキングでトップに立った。 脚本家兼監督の韓寒(Han Han)による2019年の大ヒットレース映画の続編『飛馳人生2(英題:Pegasus2)』は興行収入24億元(501億576万円)で2位となった。 アニメ映画『熊出没(英題:Boonie Bears)』シリーズの最新作『熊出没・逆転時空(英題:Boonie Bears:Time Twist)』は13億9000万元(約290億1959万円)で3位、張芸謀(チャン・イーモウ、Zhang Yimou)監督の『第二十条(英題:Article 20)』は13億3000万元(約277億6694万円)で4位だった。 国内最大級のチケット販売サービス「猫眼(Maoyan)」のレポートでは、帰省中や旅行中に映画チケットを購入した観客は39.2パーセントで、過去4年間で最高率となった。 さらに、興行収入全体の58.9パーセントが3級、4級都市での収入で、過去5年間で最高となった。 辰(たつ)年の初日に計8本の映画が同時公開されたにもかかわらず、その半数に当たる4本が2月14日から相次いで上映を取りやめ「適切な時期に上映を再開する」と通知した。 重病と闘う恋人同士を描いた感動作『我們一起揺太陽(英題:Viva La Vida)』が上映取りやめという異例の決断を下したのを皮切りに、2月16日には香港映画の大スター劉徳華(Andy Lau)が主演した『紅毯先生(英題:The Movie Emperor)』と中米合作のアニメ映画『黄豼・天降財神猫(英題:God of Money)』が、さらに2月17日にはアニメ映画『八戒之天蓬下界(英題:Bajie)』が続いた。 最高興行収入を記録した超大作や前例のない規模の上映中止に関するニュースやレビューはネット上で広く議論を呼び、人気ソーシャルメディア・新浪微博(Sina Weibo)の関連トピックスでは合計460億クリックを記録した。 これらの上映中止の事例に関して「猫眼」リサーチ部門の尹騰宇(Yin Tengyu)シニアアナリストは「中国の映画会社に対して適切な上映時期を慎重に選ぶよう、映画のテーマが休日の雰囲気に合っているかどうかを評価するよう促すものです」と語っている。 尹氏は「映画市場全体のパフォーマンスは非常に満足のいくものでした。興行的な成功に加え、大作映画の視聴率も高水準でした。春節の好調なスタートは国内映画業界にとって良い兆しで、業界のより早くより良い回復が期待できます」と付け加えた。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。