心込め、ふっくらと 鶴岡・「吉野巻き」作り
鶴岡市のおせち料理を彩る伝統の味「吉野巻き」作りが、市内の各かまぼこ店で進められている。同市本町1丁目の「滝川蒲鉾店(たきかわかまぼこてん)」では従業員が手際良く作業を進め、黄色くふっくらと仕上げている。 吉野巻きは、卵とタラのすり身を混ぜた甘い「カステラかまぼこ」の生地を使う。着色したすり身を生地に重ね塗りし、すのこで巻いた後に蒸し上げる。だて巻きよりも卵を多く使い、ふわっとした食感が特徴。「福を巻き込む」といわれ、同市の正月の縁起物として親しまれている。 同店の今季の製造は10日に始まった。30日までに約1000本を生産する予定で、市内の量販店に出荷するほか、全国からも注文があるという。運営する「竜泉(りゅうせん)・滝川」の滝川義朗社長は「幸せな年になるよう、思いを込めて作っている」と話した。