150キロ中盤連発の西武3年目剛腕が低迷するチームの起爆剤になる!? ケガがちの高校時代から見事な3年間の成長曲線【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.37』】
皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です!最下位が確定した西武ですが、楽しみな投手が出てきました。それが191センチ左腕の羽田 慎之介投手です。 【動画】八王子高校時代の羽田慎之介にインタビュー! 八王子高校から最速149キロを誇る速球派左腕として注目されていた羽田投手は21年ドラフト4位指名を受け、西武に入団。今年、一軍初登板を果たしました。 2度目の先発となった14日の千葉ロッテ戦では最速155キロの速球を武器に5回1失点、6奪三振の力投。SNS上でも絶賛の声が相次ぎました。 ようやくですが、高校時代から期待していたパワーピッチングを発揮してくれたと思います。初めてみた2年秋の都大会の投球を思い出しました。
衝撃デビューを飾った2年秋、ドラフト上位候補との対決した練習試合にスカウトが集結!
羽田投手の名を聞いたのは彼が2年生だった20年秋です。八王子に140キロ台の速球を投げる長身左腕がいるという評判を聞いて、羽田投手を見るために八王子の上柚木球場に足を運びました。先発マウンドに立った羽田投手は都立富士森相手に自慢の速球を投げ込みます。3回裏に3ランを打たれましたが、その後は立ち直り、8回3失点10奪三振の好投を見せました。この日の最速は143キロでしたが、何度も140キロ台を出していました。 190センチを超える長身左腕で、2年秋の時点で140キロを何度も出す投手はなかなかいません。来年のドラフト候補だと興奮した思いがあります。その試合は6四球を出していますが、羽田投手を抜擢した安藤徳明監督は「それも羽田投手の持ち味。小さくまとまることなく、強く腕を振ること」を求めたといいます。この都大会では3試合を投げ、25回、27奪三振と投球回以上の三振を記録。富士森戦の投球からじわじわとスカウトが増えていたと聞きます。 羽田投手は1週間ごとに先発をしましたが、投げた球数は3試合で395球。都大会後はヒジを痛めてしまい、2月までノースローでした。3年生となった春の都大会ではリリーフのみの登板に終わり、ストレートのみ。それでも140キロ台後半まで速くなっていました。 羽田投手が全ての引き出しを出して投げていたのが21年5月、千葉学芸との練習試合です。千葉県東金市にある千葉学芸のグラウンドには朝8時過ぎから関東地区の担当スカウト、上層部の方も来ていました。当時の千葉学芸は超高校級スラッガー・有薗 直輝内野手(日本ハム)を擁しており、県大会優勝したばかりの新鋭。有薗選手もドラフト上位候補の評判でした。2人の対決に各球団のスカウトが集結したわけです。 羽田投手が三塁側のブルペンに入るとスカウトたちも移動しました。この時の羽田投手はだいぶ調子が上がっている感じがしました。140キロ台の速球を投げ込み、有薗選手との対決が楽しみになりました。羽田投手は4回まで投げて、無失点。有薗選手とは2打席対戦して無安打に抑えました。 この日は最速145キロを計測しましたが、それ以上に投球がだいぶ器用になっていました。スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップを投げており、投球の幅が広がっていました。