「つっぱり棒」誕生から49年! 整理収納アドバイザーが伝授する便利活用術ですき間を収納スペースに
2本で棚をつくる
さて、1級整理収納アドバイザーの松澤りえさんは2022年、つっぱり棒マスターを取得。多くの人につっぱり棒の活用法をレクチャーする一方、夫と2人の子供と住む神奈川県の自宅でもさまざまなモノの整理収納に利用している。 「つっぱり棒は取り外しが簡単で、手軽に収納場所を増やすことができます。イメージが変わったら、違う場所で再利用するのも可能。棒2本で棚にもなります」 松澤さんの収納は、なるべく「モノを見せたくない派」。そこで松澤さんの自宅にお邪魔して、活用法を拝見した。 まず玄関では、つっぱり棒2本で棚を形成(写真(B))。「玄関に置く靴は1人2足まで」をルール化することで、この棚の上下で4人分の靴を置くことができる。これで玄関がスッキリする。棒の色は艶消しの黒。艶消しタイプは存在感が薄くなり、目立たなくなる。収納部屋では、つっぱり棒を多用し、収納力をアップ。2本のつっぱりポールの間に棒を渡して、マリンレジャーで使うドライスーツなどを吊るしていた。
理想の形にできる
スゴイ! と思ったのは写真(D)。つっぱりポールとカーテンなどを組み合わせた自家製倉庫だ。トイレットペーパーなどを置いているという。 「材料の組み合わせ次第で、その場所にジャストフィットな理想の収納をつくることができます」 風呂場入り口では、扉の手前につっぱり棒を張り、バスマットをかけていた(写真(E))。ここでの棒は、防水加工タイプ。トイレの手洗い場所下部では、つっぱり棒に洗剤をかけたり、予備のトイレットペーパーを置いたり。デッドスペースをとにかく活用する。 一方、洗面所ではゴミ箱のリフトアップに2本の棒を使っていた(写真(G))。「箱を浮かせることで掃除がしやすい」とは名案だろう。箱は丸より四角い方が安定する。 「棒の上に置くモノの重さによって、100円ショップや300円ショップ、メーカー品などの棒を使い分けています」 松澤さんのアイデアが光ったのは、棚やすき間でのつっぱり棒の活躍だ。たとえばキッチンの小さな空間では2本の棒を元に棚をつくってまな板をかけたり(写真(H))、書類棚のすき間につっぱり棒で増設した棚にはレターパックや読みかけの本を置いたりする。無駄なくスペースを活用するのがとにかく上手だった。 何と自宅3階には、つっぱりツールに加え、角材やベニヤ板などを組み合わせて、ご主人の趣味部屋も作成したそうだ。最後に松澤さんが言う。 「片付けが苦手な人ほど収納グッズを買おうとしますが、基本的に買ってはいけません。さらにモノを増やすだけ。空いたスペースを見つけ、そこを収納スペースとしてよみがえらせることが大事なのです」 部屋をじっくり見回して、空いた空間やデッドスペースを見つけたら、ラッキーだ。そこをつっぱり棒などで収納スペースに活用できれば、部屋がグンとスッキリする。