驚愕の「カシミヤ全自動紡績メーカー」、中国コンサイニーが日本法人設立 日本のトップに直撃
中国のカシミヤ紡績大手のコンサイニーグループ(CONSINEE GROUP)は2月、日本法人のコンサイニージャパンを設立した。日本法人のトップにはOEM会社のカレイド(CALEIDO)社長の酒井雅行氏が就任、酒井氏自身も個人で3割を出資する。中国・寧波に拠点を起き、カシミヤを軸に年間3500トンを生産するコンサイニーは、カシミヤでは世界トップクラスの企業だ。なぜいま日本法人を設立したのか。「アパレル・サバイバル」(日本経済新聞出版)などの著書で知られる齊藤孝浩氏のトーメン時代の後輩で、繊維業界で約30年以上の経験を持つベテランである酒井氏に聞いた。 【画像】驚愕の「カシミヤ全自動紡績メーカー」、中国コンサイニーが日本法人設立 日本のトップに直撃
WWD:ジャパン社設立の経緯は?
酒井雅行コンサイニージャパン社長(以下、酒井):昨年10月ごろに、以前からの知り合いで「アンテプリマ」などを手掛ける香港のフェニックスグループ(FENIX GROUP)のアンソニー(・キョン=Anthony Keung/フェニックスグループCEO)から声がかかった。アンソニーはコンサイニーグループの株主で、「日本法人の設立にあたってトップを探している」と。
カレイドは、いわゆる百貨店アパレルを中心にOEMを手掛けている会社で、ニットを主力商品として香港や東莞エリアなどの工場で生産し、日本のアパレルに納入するというビジネスを長く行ってきた。ニットの企画・生産に強く、かつ日本市場に精通しているという条件に合致したようだ。
WWD:昨年10月に声がかかって、今年2月には日本法人を設立、しかも自身も出資する。かなりの力の入れようだが。
酒井:何と言っても、コンサイニーグループがそれだけ魅力的な会社だったからだ。コンサイニーグループは1999年の創業、カシミヤなどの高級獣毛の紡績を手掛け、年産1万トン。カシミヤ紡績では世界シェアの2割を占め、ニット関係者ではよく知られた存在だ。実は私も20年ほど前に一度工場に行ったことがあった。