Ｊ・Ｄ・バンス氏

（ブルームバーグ）： 11月の米大統領選で政権奪還を目指す共和党の副大統領候補に選ばれたのは、回想録作家から連邦上院議員に転身し、さまざまな問題で中国を厳しく批判してきたＪ・Ｄ・バンス氏だ。

バンス氏は米軍は全てを放棄し、中国に集中すべきだと主張。また、中国からの輸入品に対する広範な関税を呼びかけ、米金融システムへの中国のアクセスを制限する法案も提出した。

バンス上院議員は「私は中国好きではない」とし、「中国が米国から多くの雇用を奪っているのが気に入らない」と語ったことがある。

副大統領は通常、政策を定める上で必ずしも大きな役割を果たすわけではなく、第２次トランプ政権が誕生した場合にそれが変わるかどうかは不明だ。だが、バンス氏の中国に対する厳しい見方はトランプ前大統領が11月の選挙で勝利した場合、断固とした対中姿勢を取るという兆候に拍車を掛ける。

バンス氏の中国に関する発言の一部を以下に挙げる。

台湾

米国にとって最優先事項の一つは、中国の台湾侵攻を阻止することだとバンス氏は指摘する。そのシナリオが米経済にもたらすリスクを強調し、台湾防衛の強化で十分な措置を講じていないとしてバイデン政権を非難している。

保守系シンクタンクのヘリテージ財団で昨年行った講演で、バンス氏は「何よりも防がなければならないのは、中国の台湾侵攻だ」と指摘した上で、「そうなればこの国にとって壊滅的だ。非常に多くのコンピューターチップが台湾で製造されており、わが国の経済全体を大きく損ねる」と述べた。

一方、トランプ氏はブルームバーグ・ビジネスウィーク誌とのインタビューで、中国の侵攻に立ち向かうことに関してせいぜい鈍い反応を示すにとどまっており、バンス氏のスタンスとは対照的だ。

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軍事力

バンス氏はまた、米国には同時多発的な紛争に関与するリソースはなく、中国に焦点を絞るべきだとも主張する。