久保建英とイ・ガンインの親友対決 日韓の至宝が交わる「物語の序章」は要チェック!
注目のチャンピオンズリーグ(CL)・ラウンド16第2戦。レアル・ソシエダ(ラ・レアル)対パリ・サンジェルマン(PSG)の一戦が、現地時間3月5日(日本時間3月6日・早朝5時)にラ・レアルの本拠地レアレ・アレーナで行なわれる。 【写真】「なでしこジャパンNo.1ドリブラー!」中嶋淑乃インタビュー&プレーカット集 パリで行なわれた第1戦では、後半にキリアン・エムバペとブラッドリー・バルコラがゴールを決めたPSGが2-0で先勝。ラ・レアルにとっては、ゴールチャンスを逃さなかったPSGに個の力を見せつけけられた格好で黒星を喫することとなった。 果たして、2点のビハインドを背負ったラ・レアルは、この第2戦で逆転勝利を収めることができるのか──。その行方を楽しみにしているファンは多いと思われるが、今回の試合では、勝敗と同様に注目したい観戦ポイントがある。 ラ・レアルの攻撃の核として定着した日本代表の久保建英と、今シーズンからPSGに加入した韓国代表のイ・ガンインのCL直接対決である。 周知のとおり、日韓両国の未来を担うふたりは2021-2022シーズンにラ・リーガのマジョルカで共闘した仲だ。同時に、お互い少年時代をスペインで過ごしたことや、10代から逸材として脚光を浴びていたこともあって、これまでも何かと比較される関係でもあった。 たとえば、2001年2月生まれのイ・ガンインは10歳の時にスペインに渡ってバレンシアの下部組織に、2001年6月生まれの久保も10歳でバルセロナの下部組織に入団。お互い異国の地でサッカー選手として成長を遂げたという、よく似たプロフィールを持つ。 イ・ガンインはそのままバレンシアでステップアップし、Bチームを経て2018-2019シーズンにトップデビュー。一方の久保は、バルセロナの18歳未満の外国人選手登録に違反が発覚し、FIFAの制裁措置のあおりを受けて帰国を強いられた。
【34億円でPSGに引き抜かれたイ・ガンイン】 帰国した久保は、FC東京の下部組織で実績を積んだあと、2017年にJリーグデビューを果たすと、2019年夏にレアル・マドリードと契約。初年度の2019-2020シーズン、レンタル先のマジョルカでラ・リーガ・デビューし、翌シーズンのビジャレアル、ヘタフェを経て、再びマジョルカでプレーすることになった。 バレンシアを退団したイ・ガンインがマジョルカに加入したのは、ちょうどそのタイミングだった。 同じ攻撃的MFで、どちらもレフティという共通点を持つとあって、当時マジョルカで指揮を執っていたルイス・ガルシア・プラサ監督は、ふたりを同時にピッチに立たせることには消極的だった。さらに、そのシーズンの終盤にバトンを受けたハビエル・アギーレ監督は、残留を目標として守備重視のスタイルにシフトチェンジ。ふたりとも出番は激減した。 久保に転機がおとずれたのは、翌2022-2023シーズン。レアル・マドリードを離れ、ラ・レアルに完全移籍を果たしたことで、持前の能力が開花。加えてフィニッシュワークの技術を磨き上げたことで、不動の右ウイングとしてチーム内で確固たる地位を築き上げるに至った。 逆に、久保よりも1シーズン早くラ・リーガの舞台に立ったイ・ガンインは、そのままマジョルカに残って翌シーズンにブレイク。チャンスメイクのみならず、6ゴール6アシストの記録を残すなど、試合を決定づける主軸MFに飛躍を遂げたことで、昨夏に移籍金2200万ユーロ(約34億円)でPSGに引き抜かれた。 ネイマールやメッシが退団したとはいえ、ヨーロッパ屈指の選手層を誇るPSGでイ・ガンインは出場機会を得られるのか──。 開幕前、大方が懐疑的に見ていたことは否めない。しかも開幕前の負傷で出遅れたうえ、9月下旬からのアジア競技大会に韓国代表として参加するため、大事な時期にチームから離脱。もはや今シーズンの前半戦は、ベンチ要員に落ち着いても不思議ではない状況だった。