ANAが“歩くだけでマイルが貯まるアプリ”を作った理由とは。「1カ月に1万マイル貯まった人も」
マイルを貯める「モチベーションの維持」が鍵になった
しかし、当初はANA Pocketを利用する「モチベーション」をいかに保てるかが難しかったという。 普段からマイルを貯めている人であれば、航空券以外のショッピングにもマイルが使えるのを認識しているが、そうでない人は「マイルの使い道や貯めるメリット」を知らず、アプリを続けるモチベーションを保てないという課題が生じていた。 「ANA Pocketのガチャには、有料会員が使える『マイルガチャ』と、無料会員かつANAマイレージクラブ会員が使える『ANA SKYコインガチャ』、コンビニやオンラインショップで利用できるクーポンが当たる『Pocketガチャ』の3種類がありました。 そんななか、ユーザーに『マイルを貯めてもらいたい、マイルの価値に気づいてもらいたい』という思いがあったため、無料会員でもANA SKYコインではなくマイルが当たるマイルガチャを引けるようにしたのです。それが、サービスの成長するひとつのきっかけになりました」 さらに、「ポイ活勢への認知が広まった」こともユーザー層が広まった大きな要因だと中村さんは続ける。 「いわゆる“ポイ活”が好きな方に、『ANA Pocketはマイルが結構貯まる』というのが徐々に浸透してきて、SNSや口コミで拡散していったのもサービスの認知拡大に寄与したと考えています」 ANA Pocketをリリースした当初は、既存のANAマイレージクラブ会員の40代~60代のユーザーが中心だったが、現在は20~30代のユーザーも増えている。アプリ広告やSNS広告といったプロモーションを展開したことで、主婦層や若年層にも広まったのが大きな要因だという。
有料会員は1ヶ月にどれくらいマイルを貯められるのか
実際には、ANA Pocketを使えば1ヶ月でどのくらいマイルが貯まるのだろうか。 無料会員の場合は月間200マイルを貯めることができ、月額550円(税込)の有料会員の場合は、なんと月間900マイルも貯めることができるという。 3000マイルまで貯めれば、毎週発表される「今週のトクたびマイル(※)」の片道の国内線特典航空券と交換できる。有料会員のユーザーは月平均600~800マイルほど獲得するので数か月間精力的に継続すれば3000マイルにたどり着ける計算だ。 ※対象路線の中から通常のマイル数より少ないマイルで特典航空券と交換できるサービスのこと また、有料会員は「Proマイルガチャ(ハズレなし)」にも参加可能で、中には1万マイルが当たったユーザーもいるそうで、さまざまな「飽きさせない工夫」が凝らされていることがうかがえる。 基本的に、ANA Pocketで獲得できるポイントの上限は30日間で20万ポイントと定められているが、“マイルの貯まりやすさ”から「有料会員の90%以上は毎日アプリを開く『アクティブユーザー』になっている」と中村さんは続ける。