「Recraft」はクリエイターの思考を支援するAIネイティブのデザインツールだった
生成AIが広まり、とくに画像生成AIは様々な場所で物議を醸しています。従来のデザインツールも、この生成AIの動きを取り入れるところ、取り入れないところが出てきました。ただ、まだまだメインのツールを補完するという形で提供されているのが現状でしょう。 【画像22枚あり】Recraftの利用プランは4種類 そんな中、AIスタートアップのRecraftが発表した「Recraft V3」が注目を集めています。触ってみたところ、なるほどAIネイティブのデザインツールとはこういうことになるのかと、ひざを打った次第です。 Recraftにログインするといきなりページが表示されます。これ、少し分かりにくいですが、実はRecraftの説明画面になっています。ここを眺めて、一度ホームに行きます。 ホームはプロジェクトが並ぶ画面ですが、ログイン直後は以下のような画面になっています。これ、テンプレートのように見えますが、これはRecraftでできることの羅列とそれぞれのチュートリアルとなっています。そして、これは1つのプロジェクトの中ですべて同時に使うことができます。 機能を項目ごとに説明すると…… ・Basics(基本機能) 基礎的な画像編集ツールと操作 ・Mockups(モックアップ) Tシャツやフラッグなどの商品に画像を配置できます ・Vector generation(ベクター生成) ベクター形式の画像を生成する機能 ・Remove background(背景削除) 画像から背景を自動的に取り除く ・Erase area(領域消去) 画像の特定の部分を消すことができる機能 ・Upscale and enhance(アップスケールと画質向上) 画像の解像度を上げたり品質を改善したりする機能 ここでは、もっともRecraftらしい「Mockups(モックアップ)」について説明しましょう。マグカップを例にしてみます。
イラスト入りマグカップを作ってみよう
最初にマグカップを生成します。すると自動的にマグカップの中にもう1つレイヤーが設置されています。 このレイヤーがマグカップに貼り付けるイメージです。早速、生成しましょう。 マグカップ内部の画像が生成されたら、サイズを変更できます。 もちろん、そのまま配置を移動できます。少し分かりにくいですが、この移動はマグカップの面に沿ってくれますし、マグカップの外に出ていくこともありません。 画像の位置が定まったら、そのまま色味を調整することも可能です。 そして、そのまま画像を繰り返して、マグカップを塗りつぶすことも可能です。 さらに、イメージが固まったら、そのままベクターデータ化することすら可能です。 ベクター化が終了すると、ExportできるフォーマットがさっきまではPNGとJPGだけだったのに、そこにSVGとLottie(ベクターアニメーションのファイル形式)も加わっています。はい、ここから他のアプリで展開するのもやりたい放題ですね。 なお、同じような感じでパーカーのモックアップをやってみた例がこちらです。1つは大げさにやって顔まで塗られてしまっていますが、これでRecraftの挙動については分かりやすいのではないかと思います ここまで見ていただいて分かるように、Recraftがすごいのは、生成AIの精度や生成するまでの速さだけではありません。作りたいイメージを具体化するまでのステップが異常に少なく、結果的に作りたいイメージを形にするまでのスピードが異次元のように速いことです。なぜなら、それは画像生成のテクニック的な面倒くさいことは、全部AIがサポートしてくれるからです。 そして、それはRecraftを利用するクリエイターが、思考することに時間を使える、ということでもあるのです。