桂小春團治が外国人向け字幕落語会を試験開催「イヤホンで聞くとおもしろくない」
落語家の桂小春團治(66)が14日、大阪市内で行われた「桂小春團治独演会」(30日・大阪・朝日生命ホール)の取材会に出席した。 同公演は、今回28回目。小春團治が毎年恒例として開催してきた独演会で、コロナ禍前は大阪のほかに東京、名古屋、米国でも行ってきたが、今回は大阪のみで上演される。演芸ファンが毎回楽しみにしているという同公演のゲストは、ウクレレ漫談のぴろきだ。 小春團治は「ゲストは毎回、自分が見たい人を呼んでいる。(ぴろきは)東京の寄席では定期的に出てる人だけど、関西の人はテレビの笑点でしか見たことないんじゃないかな」と説明した。 演目は、古典落語「あんま炬燵(ごたつ)」や新作落語「普通の境界線(仮)」。特に後者は人によって異なる「普通」を題材にした噺だという。 「自分が思っていた(普通の)尺度が人によって違うとか、あいまいな部分を日本人は空気を読む国民性もありまして、暗黙の了解で存在しているのを具体的に出す噺になれば」 今まで海外公演を数多く行ってきたが、大阪のインバウンドの盛り上がりを受けて外国人向けの「字幕落語会」を大阪で始めている。演者の横に多言語字幕を表示し、落語を披露する。 「落語は(翻訳音源を)イヤホンで聴くとおもしろくない。国連本部で(落語を)やった時は、4か国語字幕でやりました。その経験から、インバウンドのお客さんに対して一番落語を見せる形としていいんじゃないか」 先日、大阪・心斎橋角座で上方落語の「お玉牛」と「皿屋敷(お菊の皿)」を中国語と英語の字幕付きで試験的に披露し、日本語学校の教員などが見に来たという。 「どうしても字幕ばかりに目がいっちゃうんですが、お玉牛はパントマイム的な要素が入った演目。皿屋敷もこわごわしたところとか、目やしぐさで怖さを表現できるので、字幕に頼らないネタ」と解説。 今後の公演は「週に2回、定期開催できたら」と意欲を語った。
東スポWEB