セブン&アイのグループ再編 地場大手のイズミや天満屋との提携はどうなる?
国内小売り最大手セブン&アイ・ホールディングス(HD)が10月発表したグループ再編は、提携先の地場企業にも影響が及ぶ可能性がある。地場流通大手のイズミ(広島市東区)、スーパーの天満屋ストア(岡山市北区)はプライベートブランド(PB)の商品の供給などを受けており、協業の行方に注目が集まる。 【年表】セブン&アイとイズミ、天満屋との提携 イズミは2018年4月にセブン&アイと業務提携し、PB「セブンプレミアム」を販売している。19年6月には、セブン&アイ傘下の総合スーパー、イトーヨーカ堂(東京)から引き継いだ広島県福山市内の店舗を、ゆめタウン福山として改装オープンした。 イズミの山西泰明社長は15日の中間決算会見で、セブン&アイのグループ再編の影響について「なかなか推測もできない状態で分からない」と前置きした上で、これまでの業務提携の効果を強調した。セブン&アイのPBの中でも「ゴールド」と呼ばれる高品質の商品群は「私どもがメーカーと組んでも、ああいう商品はできない」と導入のメリットを述べた。 イズミの大型商業施設へのテナント誘致に関しても、セブン&アイから紹介を受けるなど業務提携の効果が出ていると説明した。 天満屋ストアは13年12月、ヨーカ堂と資本提携し、グループの百貨店の天満屋(岡山市北区)とともにセブン&アイと業務提携した。ヨーカ堂は14年1月に天満屋ストアの発行済み株式総数の20%を取得し、2位の株主になっている。天満屋ストアの店でのセブンプレミアムの販売、電子マネー「nanaco(ナナコ)」、セブン銀行のATMの導入などで協業している。 天満屋ストアは「PBの販売など提携の効果はあり、スケールメリットを受けられている」と説明する。 セブン&アイは10日、稼ぎ頭のコンビニ事業に専念するため、スーパー事業や外食事業を分離する計画を発表した。11日付で中間持ち株会社のヨーク・ホールディングス(HD)を設立。来年2月下旬をめどにヨークHD傘下にスーパーや外食事業などを分離する。 セブン&アイはイズミとの業務提携について「中間持ち株会社の設立に関わるものではなく、今のところは継続する」とし、天満屋ストア、天満屋との提携に関しては「現時点では協業を続ける」と説明している。
中国新聞社