忽那汐里が語る映画『デッドプール』の魅力。「普通のヒーロー映画と逆の感じが面白い」
『デッドプール』の魅力はどこから生まれるのか?
最新作『デッドプール&ウルヴァリン』でユキオがどのシーンに登場するのかは公開までのお楽しみだが、今回の作品も、凡庸なヒーロー映画にはならないだろう。必ず観客の想像もしなかった展開と、爆笑必至の掛け合いが楽しめるはずだ。 にしてもなぜ『デッドプール』シリーズはここまで他の作品にはない唯一無二の魅力を備えているのだろうか? 筆者は個人的に、主演も務めるライアン・レイノルズが最大のポイントではないかと考えている。彼は本シリーズで製作を務め、前作と最新作では脚本も担当。本シリーズはすべての作品で監督が違うが、レイノルズがドラマシリーズの“ショウランナー”のような役割を果たしていることで、シリーズの一貫性や魅力が保たれているのではないだろうか? 「確実にそうですね。ライアンはショウランナーみたいな立ち位置で、今回の映画はライアンとずっと仲のいいショーン(・レヴィ)が監督なので、よりそういう感じがあると思います。ショーンとライアンは兄弟みたいで、どっちもすごい勢いで喋るから、エネルギーとテンションがすごいし、とにかく物事が動くのが速い!(笑) 普通の海外作品だと、セリフをひとつ変えるにしても、脚本家がその場に立ち会って、何工程かしてからでないと変わらないんですけど、このシリーズだとライアンが中心になっているから、現場で”このセリフはない方がスムーズだよね”ってなったら、その場でカットしたり、変更したりできる。 今回の映画でうれしかったのは、最初は少ないやりとりだった場面でライアンが『わざわざ(撮影場所の)ロンドンまで来てもらったのに、こんなやりとりだとつまらないし申し訳ないから、ちょっと待ってて』って言ってくれて、撮影のセッティング中に手書きでセリフを書いて渡してくれたことがありました。そんなことがカジュアルにできるのも、ライアンあってのことですよね。 ハリウッドだと現場にいる人数が多いので、細かい決まり事が多かったりするんですけど、ああいうふうにオーガニックにコミュニケーションをとってひとつの作品をつくりたいと思うので、ライアンとかショーンのやり方を見ていると信頼できますし、ああやってコミュニケーションをとりながらつくっていっているから、パーソナルな作品ができるのかな、と思います。 だから、本当はもっとライアンと一緒に仕事がしたいんですよね。可能なら何ヶ月間か彼と仕事をしてみたいと思います。ユキオを演じたことで少しだけではあるけど、彼との現場に立ち会えて、すごくいい経験ができたと思っています」 時間をかけて脚本を練り、さらに俳優が撮影現場に入った段階でさらにやりとりを重ねて、展開やセリフを改善していく。『デッドプール』シリーズのセリフがテンション高く、イキイキしている理由はそこにあったようだ。 「演じる上でみんながライアンのことを慕っているし、彼のことを信頼して委ねている。だからこそ、このやり方で進めても成立するんだと思います」 『デッドプール&ウルヴァリン』 7月24日(水) 世界最速公開 (C)2024 20th Century Studios / (C) and TM 2024 MARVEL.