佐々木朗希クラス? 先発転向で「球界のエースになる逸材」は
すべての球種がトップクラス
4年ぶりのV奪回を狙うソフトバンクの懸案事項は投手陣だ。昨季は規定投球回数に到達した投手がゼロ。現有戦力の奮起が求められる中、救援から先発に配置転換されたリバン・モイネロの活躍が注目される。 【選手データ】リバン・モイネロ プロフィール・通算成績 モイネロは、ソフトバンクの黄金時代をリリーバーとして支えた功労者だ。2017年5月に育成枠で入団すると、わずか3週間後に支配下昇格。19年以降は5年連続防御率2点台以下という驚異的な安定感で、20年には40ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手賞を獲得した。 昨年は7月に鏡視下左肘関節形成術を受けたため、来日最少の27試合登板にとどまったが、3勝5セーブ13ホールド、防御率0.98をマーク。7年間にわたって活躍し続けられている理由は、すべての球種が球界トップクラスであることに尽きる。全身を使って投げ下ろすフォームから繰り出される直球は常時150キロを超え、140キロ台の高速スライダーは鋭く横滑りする。チェンジアップも効果的で打者のタイミングを巧妙に外す。そして、モイネロの代名詞となっている変化球が、縦に大きく割れるカーブだ。
キレ味抜群のカーブ
昨年7月に週刊ベースボールの企画「12球団選手&首脳陣に聞く! 2023NPB現役投手最高の変化球は?」で、モイネロのカーブが佐々木朗希(ロッテ)のフォークに次ぐ得票数を集めた。岡島豪郎(楽天)は「曲がり幅とスピードがほかのピッチャーと違った特殊な感じ。スピードも速く、リリース位置が高いから余計に曲がり幅が大きく感じる。コントロールもいいし、ボールゾーンからストライクゾーンに入ってくるので打つのはなかなか難しい」、渡邉諒(阪神)は「建物の3階くらいから落っこちてくる感じです。ボールかなと思っても簡単にストライクになったり、高めに来たと思ったらそれがワンバンしたりとかしてすごかったですね」と証言。 チームメートの和田毅も「あのカーブはモイネロ以外投げられないんじゃないかな。ドロップみたいなカーブで、スピードも速い。(投げ方を)聞きましたよ。同じように投げても、あんなに変化しない。カーブなのかな? って思いますよね。別の名前つけてほしいなって思います(笑)」と称賛していた。