佐々木朗希クラス? 先発転向で「球界のエースになる逸材」は
今季の目標は10勝
NPBで通算306試合登板して防御率1.95。球界屈指のリリーバーとして活躍していた左腕が野球人生の転機を迎える。先発への配置転換で長いイニングを投げるため、スタミナをつけるトレーニングに重点を置き、ブルペンで投げ込んでいる。他球団からは「モイネロは投げている球の次元が違う。故障がなければ球界のエースになる逸材です」と警戒を強める。 モイネロは20年9月にインタビューに応じた際、「日本には『勝利の方程式』という言葉があるんだってね。その言葉自体は知らなかったけど、役割としてどういうポジションなのかは理解しているし、自分が大事なところを任せてもらっているという意識はある。ポジションの重要さゆえ、もちろんプレッシャーであったり、精神的な部分で追い詰められることもあるけど、それはどこの役割であっても感じるもの。僕自身、6回、7回を投げていたときも、そういうものを感じていたしね。8回は確かに勝ちに直結するかどうかという部分で、これまで以上にプレッシャーを感じることもあるけど、それはしっかり集中して投げるために必要なことだと、頭の中で考えながらやれている。だから、特にプレッシャーがネガティブに働くということはないかな」と語っている。 グラウンド外ではラテン系のにぎやかな雰囲気が好きで笑顔が絶えないが、マウンドに立つと喜怒哀楽を出さず、淡々とアウトを積み重ねる。先発に配置転換されても、その投球スタイルは変わらないだろう。今年の目標は10勝。昨季ソフトバンクで2ケタ勝利に到達した投手が有原航平のみだったことを考えると、決して簡単な数字ではないが、モイネロなら軽々クリアする期待を抱かせる。28歳とこれから脂が乗りきる時期を迎える。先発の柱としてシーズンを通じて稼働した時、覇権奪回が見えてくる。 写真=BBM
週刊ベースボール