ECB、是正要求を無視する銀行に来年は断固たる措置-関係者
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は、監督当局が要求する修正への対応が遅い金融機関に断固たる措置をとる意向だ。金融機関が対応しているようには見えないこともあり、ECBは不満を募らせている。
2014年遅くにユーロ圏の最大手銀行に対する監督を開始して以降、ECBは年間平均で5000件余りの是正要求を下している。だが、ECBの要求に銀行側の対応が遅いこともしばしばで、対応されないまま滞っている件数が増えている。ECBは監督業務を効率化しようとしており、こうした未解決の件数を減らしたい考えだ。
この問題について説明を受けた関係者によると、ECBは銀行の対応のスピードに不満で、来年には未解決の問題により力を入れて取り組むよう銀行を促すことを計画している。内部の協議内容だとして、関係者は匿名を要請した。ECBは銀行が要求に対してどれだけ速やかに対応しているか、データを公表していない。
ECBの報道担当はコメントを控えた。
この動きは、ECBのクラウディア・ブッフ単一監督メカニズム(SSM)銀行監督委員長が監督業務を効率化させるという公約を果たせるかどうかを占う試金石になる。トランプ次期政権下で米当局がいっそう緩いアプローチを模索している一方、ECBの取り組みは一段と「うるさい」ものになったとの声も銀行側から既に上がっている。
ECBは締め付けの一環として、未解決の問題の数を減らし、対応する能力があることを示すための計画を策定するよう銀行に圧力をかける方針だと、関係者は述べた。期限を繰り返し守らない銀行は要注意とし、罰金を科す可能性もあるという。
ECBの是正要求は市場リスクの管理からガバナンスに至るまで幅広い問題が対象とされ、深刻さによって等級付けされる。今年のレバレッジドファイナンスに対してのような特別調査を行う現場監督チームが措置を発することもあれば、検証・評価プロセス(SREP)など規制当局としての通常のやり取りの中で措置が出されることもある。