選手権出場校同士の激突は今治東を振り切った大手前高松に軍配
10チームが参加し4月8日(土)に開幕を迎えた高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2023 四国もいよいよ佳境。11月25日(土)に愛媛県松山市の北条スポーツセンター陸上競技場で開催された第17節の第1試合では、2年ぶり3回目の全国高校サッカー選手権出場を決めている暫定9位・今治東中等教育学校(以下、今治東・愛媛)と、同じく選手権3年ぶり3回目の出場を決めている暫定6位・大手前高松(香川)とが激突した。 【フォトギャラリー】今治東中等教育学校 vs 大手前高松 スタートフォーメーションは今治東が「3-4-3」、大手前高松が「4-1-4-1」。スターティングイレブンは今治東がGKはキャプテンマークを巻いた1井門泰誠(3年)。3バックは右から5越智彪之介(2年)、4樋口智大(3年)、6西河大陸(2年)。ダブルボランチは18倉瀬悠葵(1年)と8安部日々輝(2年)。サイドMFは右に17山中太陽(2年)、左に26河上進次郎(3年)が入り、3トップが右から13河上塔二郎(3年)、10大荒陽平(3年)、11髙瀨一光(2年)となった。 対する大手前高松は、GKは12西尾壮人(2年)。4バックは右から8東山諒大(3年)、15飯田旅人(2年)、3正木舜(2年)、2林勇仁(2年)。中盤はアンカーに7洲脇海輝(2年)を置き、その前に右から10増田凌(3年)、19大谷海聖(2年)、11西田伊織(2年)、キャプテンマークを巻いた9山村音喜(3年)の4枚。ワントップには27橋本翔希(2年)。両チームとも大学受験などで主力数選手を欠いたものの、それ以外はほぼベストメンバーの布陣となった。 選手権を見据える上でも興味深い一戦は前半から両チームの特長がよく表現された好ゲームとなる。今治東が大荒の突破力を活かしつつ、前線からのプレッシングも用いて15分には髙瀨、41分には大荒が際どいシュートを放てば、大手前高松は「ビルドアップしながらどこかで前線に刺す」(川上暢之監督)コンセプトを多彩な動きで体現。特に林、西田の左サイドはたびたびインサイドでのビルドアップに参加し、26、41分の増田による決定機を演出した。 スコアレスで迎えた後半。橋本を16伊勢谷拓翔(3年)に交代させた大手前高松がビルドアップ時のパススピードを上げたことによりポゼッション率を大きく上げ、49、61分と決定機を生み出せば、今治東も大荒の突破力をフルに用いて対抗し74、80分と大荒がシュートを放つもスコアは動かず。そんな中で迎えた85分、スコアを動かしたのは大手前高松の背番号11だった。 85分、右サイドからくさびのパスを受けた西田でPA内に寄せてくる今治東の2人の動きを冷静にかわし、右足で逆サイドネットに突き刺す強烈な先制弾をゲット。その後、今治東も同点を狙い前線へ早めのクロスを入れるも届かず。終わってみれば大手前高松が選手権初戦・北海(北海道)戦に向けても大収穫となる今大会5勝7分4敗とする勝ち点3を上げ、残り2試合を残し5位浮上を果たした。 対して今治東はこれで残り2試合を残し8位・徳島北との勝ち点差が「7」と開き、来季は愛媛県リーグ(E1)降格が決定。「少しの気の緩みでやられてしまうことをそろそろ知ってほしい」と試合後、選手たちに訴えた谷謙吾監督の言葉をチーム全体でいかに共有できるかが、選手権初戦・堀越(東京B)戦へのポイントになる。 (取材=編集部)