ブックフェアで絵本に親しむ。中之島「水の都の夕涼み」にアートの風/大阪
大阪・中之島公園で6月から開催中のロングランイベント「水の都の夕涼み」の一環として、8月のブックフェアが開かれ、散策に訪れた人たちが絵本などを気軽に買い求めていた。 ブックフェアは6、7月に続いて3回目で、開催は毎月2日間。8月は個性の異なる5店舗が出店した。 ピクチャーブックギャラリー「リール」はハンドメイド絵本の専門店で、全国の絵本作家の作品を集めている。 個人でも操作しやすい印刷製本技術が進化したため、絵本や豆本の手作り出版がじわじわ広がっている。楽しい迷路ばかりを描いている絵本作家もいるという。福島区内から自転車に乗って遊びにきた4人連れ家族が来店し、男児が手作り絵本キットを購入。手作り絵本への挑戦は夏休みのいい思い出になりそうだ。
洋書の絵本類からLPなどもズラリ
「江坂の洋書屋」の主力は洋書の絵本類で、新刊本と古本の両方を取り扱う。「アナと雪の女王」のワンピースを着込んだ少女が、両親から絵本折り紙セットを買ってもらい、うれしそうに抱えて帰った。 音楽や映画に強い「アオツキ書房」では、ジャズ系のLPレコードが売れていた。「ブラックバードブックス」は田中一村、草間彌生、赤塚不二夫ら、ジャンルの異なるアーティストの作品集を並べて、異彩を放っていた。 「中之島の雰囲気と通じ合うパリの写真集を持ってきました」と意気込むのは、「居留守文庫」のスタッフ。「水辺の中之島はほこりっぽくないので、本にやさしい。中之島のブックフェアが、蚤の市風に定着すればいいですね」と話していた。
年間を通じて水辺ににぎわいを
「水の都の夕涼み」の開催期間は6月6日から9月15日まで3カ月間あまり。都市公園法などの制約があり、都心の公園でロングランイベントが開かれるのはきわめて珍しい。 運営する水都大阪パートナーズの佐井秀樹プロデューサーは「『水の都の夕涼み』に、創造力や芸術性を醸成したくて、ブックフェアを企画しました。 目標は年間を通じて大阪の水辺ににぎわいを作りだすことで、いろんなトライをしていきたい」と話す。詳しくは「水の都の夕涼み」公式サイトで。 (文責 岡村雅之/関西ライター名鑑)