気心を知れた仲「気心を知れるから一緒に勝って喜びたいと思えるんです」【宮城大弥の一生百錬 僕が僕であるために】
1階でよく見た理由
とにかくペータ[山下舜平大=写真右の右]はいつもストイックで、クレ[紅林弘太郎=左の右]は試合中に何を考えているか分かりませんが[笑]、今年も一緒に優勝の喜びを分かち合いたいと思っています
キャンプが始まり、開幕まで約1カ月。4連覇、そして日本一奪還の力になれるように鍛錬を積んでいます。でも、メリハリも大事。そんなやりやすい環境をつくってくださるチームに感謝していますし、だからこそチームに貢献したいと強く思える。前回まで、そんな雰囲気を生んでくださる先輩方のお話をしましたが、今回は後輩と同級生のお話を。まずはペータ(山下舜平大)の話からしましょう。 年齢が1つ下、入団も1年違い。寮生活も一緒に過ごしていたこともあり、仲の良い後輩ですが……なぜ仲良くなったのかは正直、分からないんです(笑)。何かきっかけがあったわけではなくて、気が付いたら仲良くなっていて。ペータが入団したころ(2021年)は軽く話す程度でした。僕とペータの担当スカウトは同じ縞田拓弥さんということもあって、縞田さんから「(ペータと)仲良くしてやってくれ」と連絡が来ていたこともあり、気に掛けてはいました。でも、ペータの姿を目にするのは寮の1階ばかりだったんです。ロッカーなどの共有スペースが多いので当たり前と言えば当たり前なのですが、理由が分かったんです。それはトレーニング場と寮が併設されているからでした。 そう思ったのは、こんなことがあったから。京セラドームでナイターがある日の昼過ぎのこと。球場へ向かうため駐車場に行くと、駐車場の近くにあるトレーニング場にいるペータを目にしたんです。練習熱心だなと思って球場に向かい、その日の僕は全体練習のみの調整日だったこともあって19時くらいに寮に戻りました。ファームは午前中から練習が組まれていることが多いため、夜は基本的に練習が終わっている。でも、その日、トレーニング場の電気がついていたんです。 『こんな時間まで誰が』と覗いてみると……ペータの姿が。休憩を取りながら練習していると思うので、ずっとトレーニングを続けていたわけではないと思いますが、冗談を交えて声を掛けたんです。 「まだトレーニングしているのかよ!?」 すると返ってきたのは・・・
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週刊ベースボール