キリコ30年ぶり登場 能登町瑞穂、被災の地域盛り上げ
能登町瑞穂公民館の「夏まつりinみずほ」(北國新聞社後援)は14日、町瑞穂テニスコートで行われた。地震で被害を受けた地域を盛り上げたいと、人口減少で担ぐ機会が途絶えていたキリコが約30年ぶりに登場し、住民が早期の復興を願いながら担ぎ上げ、にぎわいを生み出した。 ●夏まつりで住民担ぐ 瑞穂地区の各集落では神社の祭礼でキリコが巡行していたが、担い手の不足で約30年前から行われなくなり、近年は一部の集落で飾られるだけだった。にぎやかだった祭礼の魅力を子どもたちに知ってもらいたいと、地元の会社役員辻野実さん(42)らの呼び掛けで担ぐことにした。 キリコは幅約4・5メートル、高さ約5メートル。住民の手で組み立てられた後、子どもたち15人を乗せて担いだ。男性約20人が「イヤサカヤッサイ」と声をそろえてうれしそうに担ぎ上げ、乱舞した。 辻野さんは「祭礼でキリコを担ぐ機会はなくなってしまったが、来年も続け、瑞穂で生まれ育った喜びや楽しみを感じられる機会をつくりたい」と話した。 会場では住民が焼きそばやかき氷を準備し、子どもたちが金魚すくいなどを楽しんだ。