植物調査の方法学ぶ 鹿児島大など外来種モニタリング 世界遺産の奄美大島で講習会
地域住民を対象とした外来植物のモニタリング調査講習会が6日、鹿児島県宇検村内であった。受講者は鹿児島大学の研究者らと共に山中や集落の中を散策して植物の分布状況を確認し、外来植物の撮影方法や位置情報の記録方法などを実践で学んだ。 講習会は鹿児島大学鹿児島環境学研究会と環境省奄美群島国立公園管理事務所の共催。世界自然遺産の奄美大島で固有種の存続を脅かす外来植物の計画的な駆除に向け、個体数や分布状況を把握する目的。住民参加型のモニタリング調査体制の構築を目指し、2023年度から本格的に実施している。 今回は島内各地から8人が受講。スマホやGPS機能付きカメラなどを使って外来植物の写真を撮影し、生育位置を記録する方法や、データベースへの送信方法などを学んだ後、宇検村湯湾の山中へ実地研修に出発した。 受講者は鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センターの鈴木英治特任教授を講師に、道路沿いに生えている植物を調査。アカギやムラサキカッコウアザミ、オオバナノセンダングサなどの外来種を記録した。午後は部連集落でも研修を行った。 受講した宇検村阿室の50代女性は「地元の植物を知りたくてモニタリング調査に取り組んでいる。身近な植物も知識とともに見ると喜びが違う」と話していた。 調査講習会は19日に奄美市笠利町、20日に宇検村でも開催する。