「発想が自由すぎ…」懐かし「昭和ロボアニメ」視聴者を仰天させた「トンデモ合体」シーン
■「セットガード・プロテクション!」通称"マトリョーシカ合体"が衝撃だった『闘士ゴーディアン』
最後に取り上げるのは、ロシアの民芸品「マトリョーシカ人形」のようにロボットが順々に収納される合体方式が斬新だった『闘士ゴーディアン』(1979年から放映)だ。 天変地異により地球の文明は崩壊し、人々は復興をはじめる。しかし、その混乱に乗じてドクマ大帝統が率いる謎の秘密結社「マドクター」が各地を襲撃。それを阻止するため防衛部隊・メカコン隊員の「ダイゴ大滝」は、3体のロボットで構成される合体ロボ「ゴーディアン」で戦うというストーリーだ。 そして本作の合体シーンもかなりトンデモない。最初にダイゴは、人間より少し大きめの小型ロボ「プロテッサー」を着るようなかたちで中に入る。ダイゴが入ったプロテッサーを、続いて中型ロボ「デリンダー」が収納する。最後は大型ロボ「ガービン」にデリンダーが収納され、合体ロボ「ゴーディアン」が完成するのだ。 まるでマトリョーシカ人形のような合体シークエンスだが、「ガービン」に収納された「プロテッサー」と「デリンダー」のメカ的要素はまったく表に出ていない。つまり最終形態である「ゴーディアン」とは、大型ロボ「ガービン」の姿のままなのだ。 それにダイゴは、とてつもなく大きい鎧(ロボ)を何枚も重ね着したような状態のため、腕も足もぴっちり固定されているはず。そのため筆者は『ゴーディアン』が動くたびに、「プロテッサー」の中でダイゴの手足の関節は大変なことになっているのでは……と彼の身を案じていた。 奇想天外かつ、ツッコミどころ満載だった昭和のトンデモ合体ロボ。放映当時は子どもだったため、少々おかしな描写も気にせず、作品が持つパワーとおもしろさに夢中になり、毎週テレビの前にくぎづけになっていた。 その後も、5体のライオン型ロボットが合体する『百獣王ゴライオン』や、主人公が入ったロボットを収納して合体する『六神合体ゴッドマーズ』、小学校の校舎がロボットに変形合体する『熱血最強ゴウザウラー』など、多種多様な魅力的な「合体ロボ」が登場している。 皆さんは、インパクトあふれる合体ロボといえば何を思い浮かべるだろうか。
高塔琳子