老後の年金額は「今の65歳の人」より、「今年30歳になる人」のほうが多い!? 最新の“財政検証”をもとに解説
将来の1人当たり年金額の見通し
次にモデル年金ではなく、男女の1人当たりの平均年金額の予測を見てみましょう。成長型経済移行・継続ケースにおける1人当たりの平均年金額は次のような試算結果となっています。 ・2024年度:男性14万9000円、女性9万3000円 ・2039年度:男性15万6000円、女性10万9000円 ・2049年度:男性18万円、女性13万2000円 ・2059年度:男性21万6000円、女性16万4000円 次に過去30年と同じような成長だった場合の年金額を見てみましょう。 ・2024年度:男性14万9000円、女性9万3000円 ・2039年度:男性14万1000円、女性9万8000円 ・2049年度:男性14万1000円、女性9万9000円 ・2059年度:男性14万7000円、女性10万7000円 女性は若年層のほうが年金額は多くなっています。これは女性の労働参加が拡大し、厚生年金加入期間も延長するとみられているためで、年金額も物価の伸びを上回って上昇します。一方、男性は過去30年と同じ成長だと年金額は減額すると予想されています。 それでも男女の平均年金額の合計は2059年度(現在の30歳が65歳になる年度)が最も高くなっています。 このように、経済が順調に成長しても、過去30年と同じような低成長でも今の30代のほうが年金額は多くなります。ただし、その分賃金も上昇するので、所得代替率は2024年度より低い可能性もあります。
まとめ
将来の年金額は、過去30年と同じような低成長でも2059年度の男女の平均年金額が最も高くなると予想されており、その金額は2024年度よりも高くなっています。老後の年金について今の30代は「今よりも年金額は少なくなる」と考えている人が多いと思いますが、意外な結果といえるのではないでしょうか? 出典 厚生労働省 令和6(2024)年財政検証結果の概要 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部