「頭が痛くて割れそう!」耳から出てきたモノに仰天 10年間綿棒でキレイにしていたのに…耳鼻科医「同じ症状の患者さん多い」
耳には「自浄作用」があります
――耳掃除についてはその賛否がSNS上でも度々話題になりますが、とむせんさんのお考えは? 耳掃除は基本的にしなくてよいです。耳には「自浄作用」があり、耳の奥の方から耳垢を外に出してくれる機能があります。耳掃除を頻繁に続けるとせっかく外に出ようとしてきた耳垢を奥に押し込んでしまう可能性が高まります。その結果、自力で取れないほどの耳垢になることがあります。 ――どうしてもかゆい時や、お風呂やプールで水が入ってしまった場合は? 水が入ってしまった場合は、タオルで手前を拭ったり、綿棒をそっと入れて水を吸収させてもよいかもしれません。水が耳に入っても奥に鼓膜があるので特別気にすることはなく、自然乾燥するのでそのままでよいです。時々水が入った影響で耳垢が湿り、聞こえづらさを感じる方もいます。そういった症状が出る際は耳鼻科受診をされてください。 ――今回のように、耳の中を触りすぎることが外耳炎のきっかけに? 耳を綿棒や耳かきで刺激することで外耳炎になります。耳かきの頻度が高いと外耳炎を引き起こす可能性が高まると思います。これを長年繰り返していると外耳道癌になることもあるので注意が必要です。 ――外耳炎では、耳の痛みや炎症、頭痛の他にも何か症状が? 耳から膿が出る耳漏という症状やかゆみが出ることがあります。あとは、外耳道が腫れて、聞こえづらさを訴える方もいます。 ――実際に臨床の現場でも耳掃除をしすぎて耳垢が奥にたまっている、外耳炎を発症されているといった患者さんはいらっしゃるのですか? 多くいらっしゃいます。特に開業医の先生では毎日経験されるかと思われます。 ――耳掃除をするための道具も綿棒や竹製耳かき、光る耳かきなど多様なものがありますが、そのリスクは? どれを使っても外耳炎を発症したり、耳垢を奥に追いやってしまうリスクはあると思います。最近のものでは、内部を観察しながら耳垢が取れるようなものもありますが、操作に慣れていなければ外耳道を傷つける可能性も十分にあります。また、耳掃除をしている際に子供がぶつかってきたりして外耳道を傷つけてしまっていたり、鼓膜を破ってしまうこともあります。耳掃除にはやはり耳鼻科受診が最も安全だと思います。 ◇ ◇ 今回のカニカマ侍さんの投稿に、 「耳鼻科の先生から、耳掃除したらダメって言われたことあります。綿棒もダメって。中へ中へ押し込んじゃうみたいです。自然に出てくるからそこだけ拭いたらいいよーって。でもしちゃうんですけどね」 「綿棒やりすぎも良くないけど、やらなさすぎもやっぱり垢溜まるみたい」 「外耳炎になって耳鼻科にいって、医師にはっきり言われました『耳をつつきすぎ』。たしかに1日2回くらい綿棒を入れてました」 「綿棒グリグリ20年以上やってます。綿棒の綿が耳に残って聞こえが悪くなった事あります。あと、鼓膜が傷ついた事も」 「私は耳垢カサカサで耳かきでとりすぎて外耳炎になります。耳垢がねっとりとした人は綿棒で撫でないと取れないって言ってるので…。どっちにしても耳の中いじりすぎると良くないですよね」 など、耳にまつわるエピソードが続々と届いていました。 耳の中、違和感があるとついつい掃除したくなりますが、とむせんさんのお話を聞くと我慢…我慢ですね。耳の中を触りすぎることが外耳道癌を引き起こす原因にもなりえるということにも驚きました。きちんと耳鼻科を受診し、掃除してもらうことが一番良さそうです。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)
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