石原さとみ、岡山天音 なりふり構わぬカイブツたち :総まくり2024年
2024年もたくさんの映画が、私たち映画ファンを楽しませてくれました。ひとシネマのライター陣が、映画、動画配信サービスの作品から今年の10本、そして2025年への期待を語ります。 【画像】ツチヤの生き様に衝撃 「笑いのカイブツ」の一場面
勝田友巳ひとシネマ編集長が選んだ今年の10本
「笑いのカイブツ」(滝本憲吾監督) 「辰巳」(小路紘史監督) 「ミッシング」(吉田恵輔監督) 「ゴッドランド/GODLAND」(フリーヌル・パルマソン監督) 「Cloud クラウド」(黒沢清監督) 「ビニールハウス」(イ・ソルヒ監督) 「ボーはおそれている」(アリ・アスター監督) 「胸騒ぎ」(クリスチャン・タフドルップ監督) 「化け猫あんずちゃん」(久野遥子、山下敦弘監督) 「パスト ライブス/再会」(セリーヌ・ソン監督)
イヤぁな気分も、また時代かも
イヤぁな気持ちになったままの映画が多いのは、世の中の情勢のせいなんだろう。といってもそういう映画が嫌いなわけではまったくなくて、もやもや、ザワザワした気分にさせてくれる作品を待ち望んでもいる。「笑いのカイブツ」のツチヤの生き様に衝撃を受け、「ミッシング」に怒りの行き場を考える。岡山天音、石原さとみの髪振り乱す激情にタジタジ。「胸騒ぎ」「ボーはおそれている」では、作り手たちの頭の中を思う。 社会問題を上質のスリラーにした「ビニールハウス」、逆に上質のスリラーアクションに社会が映った「Cloud」「辰巳」。何にも似ていない「ゴッドランド」。そんな中で「化け猫あんずちゃん」「パスト ライブス」のような映画に出合うと、温かいものが気持ちよくしみてくるのが、またたまらない。
ひとシネマ編集長 勝田友巳