Jルヴァン杯“新方式”で経済効果も…J3勢唯一の快進撃、富山クラブ広報に訊く「嬉しい誤算」
富山は1stラウンド3回戦の神戸戦でクラブ史上5位の入場者8223人を記録
Jリーグのルヴァンカップは、今季から大会方式が大幅に変更された。J1、J2、J3の全60クラブが参戦。「1stラウンド」、「プレーオフラウンド」、「プライムラウンド」の3段階に分かれ、優勝を争う。J3勢唯一のプレーオフラウンド進出を勝ち獲ったカターレ富山に、新方式の効果について訊いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史) 【動画】富山が神戸から奪った貴重な同点弾シーン ◇ ◇ ◇ 昨年までのルヴァンカップは原則、J1クラブを複数グループに分けてホーム&アウェーのリーグ戦を行い、勝ち抜いたクラブにAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場クラブを加えて決勝トーナメントを戦っていた。 しかし、今大会は「1stラウンド」がACLの決勝トーナメントに出場した横浜F・マリノス、川崎フロンターレ、ヴァンフォーレ甲府を除く57クラブを10グループに分けた一発勝負のトーナメント、「プレーオフラウンド」は1stラウンドを突破した10クラブを5カードに分けたホーム&アウェー、「プライムラウンド」はプレーオフラウンドを突破した5クラブとACL組の計8クラブによるホーム&アウェーのトーナメントで、運命の決勝は中立地開催での一発勝負となる。 Jリーグとしては、1stラウンドは会場を下位カテゴリーのクラブ本拠地とすることで、より多い観客数での試合運営を経験してもらい、クラブの底上げを図る狙いもあるとされる。J3勢唯一の勝ち残りとなった富山は、1回戦でJ2モンテディオ山形(3月13日/2-1)、2回戦でJ2清水エスパルス(4月24日/0-0・6PK5)、3回戦でJ1ヴィッセル神戸(5月22日/1-1・5PK4)と3試合連続で上位カテゴリーのクラブ相手に勝利を飾った。 会場はいずれも富山県総合運動公園陸上競技場。入場者数は山形戦1827人(水曜日19時キックオフ・晴れ)、清水戦3257人(水曜日19時キックオフ・雨)、そして神戸戦はクラブ歴代5位の8223人(水曜日19時キックオフ・晴れ)を記録した。富山の広報担当スタッフによれば、チケットの売り上げは1回戦→2回戦で約2倍、2回戦→3回戦で2倍以上とアップし、神戸戦の集客は「予想以上」だったという。 「清水戦は雨がひどく、当日は県内に住んでいる方の足が止まってしまった印象があり、集客面では少し残念でした。神戸戦は平日のナイトゲームだったので、当初は5000人を1つの目標に考えていましたが、前売券ですでに約6800人。まさか8000人を超えるとは嬉しい誤算です。J2時代(2013年)のガンバ大阪戦でクラブ史上最多の1万3639人を記録したなかで、今回の数字は(15年に)J3になって以降では最多になります。天気も良く、(ルヴァンカップの)新方式の恩恵を受けた試合と言えるかもしれません」