「使いこなせる上司がいない」と言われた岡田准一“井上”がSPになった日<SP>
どんなスーパースターにも駆け出しの時代がある。8月からFODで配信中の岡田准一主演ドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」(2007年、フジテレビ系にて放送)は、両親をテロの巻き添えで亡くしたSPの井上薫(岡田准一)が、仲間のSPらと共にテロリストから警護対象者を守る姿を描く。 【写真】アクション俳優としても名高い岡田准一 危険人物を察する能力がある井上の鮮やかな身のこなしや、スピード感のあるストーリーと演出が人気のシリーズだが、第8話は井上の警察学校時代が描かれていて味わい深い。作品のファンも、見た事がなかった人も導入編として楽しめる回だ。(以下、ネタバレが含まれます) ■尾形が抜群の動きを見せる訓練生・井上を呼び出す 今作は後に「SP THE MOTION PICTURE 野望篇」(2010年公開)と「SP THE MOTION PICTURE 革命篇」の劇場版まで公開され、井上を始め、尾形(堤真一)、石田(神尾佑)、笹本(真木よう子)、山本(松尾諭)らSPたちの勇敢さやチームワークも見もの。FODのキャンペーン「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」の対象作品としても配信されている。 第8話の副題は「警護四係に合流せよ」。尾形(堤真一)は、抜群の動きを見せる警察学校の訓練生・井上をじっと見つめる。その後、井上を個別に呼び出し、井上の資料にある両親が巻き添えとなった事件のこと、そしてどうしてSPになりたいのかを問うのだった。 約5カ月後、井上は警護四係に配属される。まずは環境大臣の警護につくがその異色な警護方法に石田、笹本、山本らはいら立ちを募らせる。しかし、翌日の警護中に井上が異変を素早く察知したことで石田と笹本は井上に何かを感じとった。 数カ月が経ち、都知事の拳銃事件や病院占拠事件を振り返り、冗談半分で井上が来てから大きな事件が続いてるとぼやく警護四係の面々。同じ頃、20年前に事件で刑務所に入っていた山西(平田満)が出所を迎え、井上自身が大きく関わることとなる“ある事件”が起ころうとしていた。そしてついに、事件発生当日となる1月26日が訪れる。 ■所属されたばかりの新米SP・井上がキョロキョロ 訓練生時代の井上は「あいつを理解して使いこなせる上司がいないだろう」と言われていたが、尾形は自分のいる警護四係に呼び寄せ、運命が大きく変わった。尾形が「新入りだ。かわいがってやってくれ」と仲間に紹介し、所属したばかりの井上が目をキョロキョロさせながら勤務する姿はどことなく可愛い。 警護対象者を命懸けで守る仕事のSPにおいて、井上の危険察知能力は何よりも頼りになる。どんな相手にもひるむことなく挑んでいく身体能力も素晴らしく、尾形の目に狂いはなかった。第9話以降、井上の両親刺殺事件に関連した緊迫感高まるストーリーとなっていくため、この第8話はファンにとって少しほっとできるような、主役のルーツを感じられる尊いストーリーである。