木造建物全壊の半数が「新耐震基準後の建物」ナゼ?私たちの住宅は倒壊するのか…専門家「新築と改築、増築なら家の形によって強度が違う」【MBSニュース解説 石川県能登半島地震】
家の形が複雑であるほど、いびつに揺れが集中
(金沢大学 村田晶氏)建物の形は、四角い形が一番均等に揺れますのでいいんです。形が複雑であればあるほど、形がいびつなところに必ず揺れが集中しますので、そういったようなところをしっかりと強度を上げた状態にしているかどうか、大事になってくるわけです。 ――もうひとつ指摘されているのは、この土地は地盤が柔らかく揺れが増幅しやすい地区だという点です。 地盤の柔らかいところは一般的に揺れが増幅します。また、地震はガタガタっていう早い揺れと、ゆっくりした揺れが混在してるんですが、ゆっくりした揺れは柔らかい地盤で増幅して、揺れが建物と共振を起こして、建物自体の揺れも増幅してしまう、そのため倒壊とか大破という形で被害を受けやすくなります。
今昔の地図の違い比較 サイト『J-SIS』も参考
――自分が住んでいる地域の地盤が緩い、柔らかいは調べてわかるものですか。 (金沢大学 村田晶氏) わかります。一般的には例えば昔の地図と今の地図を見比べて、昔の土地利用がどうだったか、例えば川のそばで、流れていたところを河川改修をしてるとか、一般的に埋立地といったところは、最初から地盤は柔らかいと思います。 「揺れやすさマップ」を各自治体が公表しているところがあります。国としては、『J-SIS』という国全体の揺れやすさを説明するようなサイトがありますので、皆さんも確認することができます。
密集市街地は大阪が圧倒的、神奈川・京都と続く
こんなデータがあります。【地震時等に危険な木造住宅の密集市街地】全国のランキングで、1位が大阪府(895ha)2位神奈川県(301ha)3位京都府(220ha)4位兵庫県(190ha)となっています。圧倒的に大阪に木造建物が多い、建物が密集して道路が狭く公園が少ないので大規模な火災になる危険性が高い、我々はこういうところに住んでいることを認識しておかないといけません。(2024年1月9日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より) ◎村田晶:金沢大学助教 地震工学研究室所属 珠洲市の地震で倒壊した家屋の現場調査を実施