木造建物全壊の半数が「新耐震基準後の建物」ナゼ?私たちの住宅は倒壊するのか…専門家「新築と改築、増築なら家の形によって強度が違う」【MBSニュース解説 石川県能登半島地震】
――金沢大学地震工学研究室の村田晶助教は、珠洲市正院町で家屋の現地調査を行いました。調査した木造家屋約100棟のうち40棟ほどが全壊。うち半数の20棟が1981年の新耐震基準の『導入後』に新築・改築されたとみられます。国交省によると、【新耐震基準は震度6強以上で倒壊しない】とされますが、調査した場所は震度6強の揺れでした、どうして倒壊したのでしょうか。 【画像を見る】家の形で揺れが違う…自宅のチェックポイントは?珠洲市で倒壊した木造住宅、街並みの様子 (金沢大学 村田晶氏)「群発地震が約3年間続いたため倒壊したのではないか」今までの積み重ねです、昨年5月5日この地区では震度6強の揺れを受けています。その前年も割と大きい震度6弱がありました。また昨年の震度6強と、今回の震度6強は同じ数字ですが、だいぶ質が違う揺れになり、「揺れの質が違う」のも一つの要因です。
新耐震基準は40年前の話で、何度か改定した
(金沢大学 村田晶氏)新耐震基準は1981年、40年も前の話になりますので、その後何度か基準改定しています。大きな基準改定として2000年の改定があり、それ以降に新築された建物については今回、倒れていた建物の10数メートルぐらい隣の場所でも、軽微な被害でとどまっておりますので、現行の基準が全然充足していない、という状況でないこともご理解ください。 ご自身の家が1981年以降に新築で建った建物か、改築した建物かですこし状況が違います。改築の際に構造的な補強をしっかりしたか、していないか、注意して確認していただければと思います。 珠洲市では前回の地震から7か月しか経っていないので、補修することに関しても、とりあえず応急補修しかできていない方がほとんどで、7割方はまだ補修が間に合っていなかった。そういった意味では、とりあえずの補強で今回の揺れは耐えられなかったっていうのが実際のところかなと思います。 ――あとは住宅を過去に増築したかどうか。その場合は建物を上から見て形が複雑になっていませんか、というポイントがあるそうです。