「マニアを相手にするのではなく…」TAJIRIが語る九州プロレスの“常識を覆す”経営論…元WWE戦士が“プロレスNPO”所属を選んだ理由
プロレス界の常識を覆す「協賛金が収入源」
九州プロレスは年間約50大会を開催。その他、高齢者施設、障がい者施設、児童養護施設などへの慰問を積極的に行っているが、驚くべきことにすべての大会は原則入場料が無料。その時点で、完全にこれまでのプロレスの常識を覆している。 「九州プロレスが大会のほとんどを入場料無料にできているのは、支援してくださる企業の皆さんからいただく協賛金が収入源になっているからです。そういう形を筑前さんが構築したところがすごくないですか。協賛企業さんは通算で1000社を超えたらしいです。もうチケット券売頼りの団体運営って日本では限界なのではないかと。プロレスファンの数は限られているし、券売目当てだと収入だって安定しないし。協賛をいただいて、多くの人に観てもらう九州プロレスのシステムは素晴らしいと思います」 それを可能にしているのは、レスラーも含む正社員たちの営業努力だ。 「九州プロレスの営業活動は、今まで見てきた団体と比べても『これだけやったらどこでも入るな』っていうぐらいやってると思います。営業社員は九州各地の企業さんを一日じゅう回って。レスラーが営業に同行することもあります。大会前にはその地区の小学校、保育園、幼稚園すべてにチラシも送るんです。しかも、どこどこ小学校は1年生が◯人、2年生が◯人いるなら、ちゃんとその数のチラシを選手が分けて全部送るんです。さらに地元の幼稚園や老人施設、障がい者施設などにも慰問に行って『プロレスっていうのが来るよ』って直接触れ合ったりもしています」 テレビのゴールデンタイムでプロレスが放送されていた昭和の時代と違い、いまは知名度の点からプロレスの地方巡業は厳しくなっているが、九州プロレスでは、どこの町に行っても小さな会場以外では実数で500人以上動員しているというから立派だ。 「東京の団体の人たちは『タダだから来るんだろう』って思うかもしれないですけど、正直、他の団体は招待券配っても全然埋まらないじゃないですか。でも九州プロレスは去年、15周年記念大会を福岡国際センターでやって、本当に4800人来たんです。怪しい『主催者発表』ではなく実数ですよ(笑)。現時点でも観客動員数と収支的なことで言えば、日本のプロレス団体の中では(最大手の)新日本プロレスの次のグループにガッツリ入ると思いますよ」
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