【バスケ】西地区7連覇に“黄信号”が灯った琉球ゴールデンキングス 「やり続けられない」今村佳太が語るチームに対する危機感とは
依然地区1位も、チームが抱える「弱さ」とは
今村佳太が会見の冒頭で語った試合の総括には、悔しさと危機感が滲んだ。 「今シーズンの名古屋Dとの対戦は本当に完敗かなと思っています。今の自分たちの実力はこんなものなんだということを突き付けられた試合でした。レギュラーシーズンの中でうまくいっていたことなど、自分たちがやらなきゃいけないことをやり続けられないという弱さが、このチームにはあると思っています」 これで名古屋Dとはゲーム差1。地区優勝の行方は最終節までもつれることとなった。2連戦の結果を受けて焦りがあるのか、それとも気が引き締まったのか。率直な思いを聞くと、険しい表情を崩さずにコメントした。 「いや、引き締まっているという感覚はないです。もちろん焦っていますし、雰囲気は良くない。同一カードで2連敗して、自分たちが勝ち取れるはずだったものを勝ち取れなかった。正直、めちゃめちゃ苦しい週末でした」 2戦とも最終盤で逃げ切られる展開となり「我慢強さがまだまだ足りていない」とも語った。
自信と責任を持って「打ち続ける」
今村が課題感を口にした一方で、この連戦では攻守とも「戦術」という面ではやりたいバスケを遂行できている時間帯も多かった。 名古屋Dが誇る齋藤拓実とスコット・エサトンの強力なツーメンゲーム、各選手による積極的な3Pに対して手こずりながらも、ディフェンスを修正しながら我慢を継続。オフェンスでもタフショットは少なく、ボールをシェアしながらオープンショットを打つという認識が共有されていた印象だった。 しかし、前述のように2戦とも3Pがことごとくリングに嫌われた。もちろんシュートの調子には波が付き物であり、常に高確率を維持するのは容易なことではない。ただ今回のような上位陣同士の緊迫した試合では、決めるべき場面で決めないと一勝をもぎ取ることが難しいのも事実だ。それはCSでより顕著になってくる。 琉球はこれで3連敗となったが、この3試合は全て3P成功率が20%台と低空飛行を続けている。今村に決定力が上がらない要因を聞いた。 「選手一人一人の積極性が失われているということはすごく感じています。自信を持って打つことができていないというか。プレーしながら選手の顔を見てても、それは感じる部分があります。要因はいろいろあるとは思うんですけど、そこはチームとしての課題かなと思います」 どのチームにも言えることだが、そのシュートが入ろうが入るまいが、打つべき場面で躊躇するとチームのオフェンスリズムを崩してしまいかねない。それとは反対の例ではあるが、この連戦では小野寺祥太が成功率の低い「ノンシューター」扱いをされ、1戦目では3Pを8本打って1本のみの成功にとどまったが、それでも2戦目でもフリーの場面で打ち続け、この試合では5本中2本の成功と確率を上げた。 今村に対し、小野寺のような姿勢が必要ということか、と続けて質問してみた。 「祥太さんのシュートはチームとして信じている、狙っている部分でもあるので、打ち続けてほしいと思っています。それは祥太さんに限らず、松脇や隆一さん、僕もです。シュートを得意としている選手たちが打つのを躊躇し、チームの戦術、戦略にフォーカスし過ぎてしまうのは、個人が伸びない要因になると思っています。責任を持って打ち続けるメンタリティーはなくさないでほしいですし、自分もそのメンタリティーでプレーしていこうと思っています」