新幹線ストップ、さてどうする? 連携プレーに心意気
【汐留鉄道倶楽部】7月22日未明、愛知県内の東海道新幹線上り線で保守用車同士の衝突脱線事故があり、一部の列車を除き始発から運転ができなくなった。復旧作業は深夜まで続き、浜松―名古屋間の上下線で終日運転を見合わせ、上下計328本が運休し約25万人に影響、夏休みスタート直後に東西を結ぶ大動脈は混乱を極めた。 【画像】「L空間から離れよか」列車から外に向かってスポンジの棒を伸ばし、発車することでL空間にいる社員をたたいていく研修も
実はその日、大阪への日帰り出張に当たっていた。前夜は「午前8時半ごろの『のぞみ』でちょうどいいか」などと思っていたが、朝6時のニュースで運転見合わせを知り、慌てて飛行機を予約した。残りわずかだったから、すぐに満席になっただろう。「早起きは三文の徳」だ。この段階では「昼過ぎには復旧見込み」と言っていて、大阪での用事は夕方には終わるから、最終列車近くになればダイヤもだいぶ回復しているだろうと考えた。 これがとんだ大間違いで、午後になると「終日復旧は難しい」と伝えられた。考えられる手段は(1)帰りも飛行機(2)1泊して明朝の飛行機か新幹線(3)名古屋―浜松は在来線を使って強行突破(4)何らかの方法で迂回―。さて。 飛行機は最終の関西空港発が数席残っていたが、3万円超という値段に腰が引けた。1泊しても翌朝の飛行機はどれも満席、新幹線も復旧の保証はない。というわけで在来線を検討した。大阪―東京をすべて在来線を使えば約9時間。何度も経験済みだが、さすがに今日は無理な話だ。在来線の名古屋―浜松は2時間弱なので、前後を新幹線で挟めばなんとかなりそうだが…。
結論から言えばこれを選択しなくて正解だった。名古屋以西、浜松以東の新幹線は1時間に2本のこだまが中心で、かなりの混雑が予想された。それでも西側は近鉄や名鉄でJRを避けることもできなくはないが、問題は東側。実際、在来線と新幹線との乗り継ぎ駅となった浜松は人であふれ、翌朝のニュースで「ホテルが取れなくて駅前の広場で夜を明かした」という声を聞き、心底同情した。 で、結論は北陸回り。大阪駅の券売機で検索して、サンダーバード39号(大阪17時40分→敦賀19時00分)、つるぎ40号(敦賀19時09分→金沢19時52分)、はくたか578号(金沢20時20分→東京23時24分)を押さえ、新幹線は疲れも出るだろうから奮発してグリーン車にした。だが金沢で乗り換えないといけないのが難点で、サンダーバードが着席の保証のない「立席特急券」というのもいただけなかった。時間に余裕があるので、特急並みにすっ飛ばす新快速で京都まで先回りすることにした。この間に空席が出れば、あわよくば着席の列車に振り替えられるかも、という作戦だった。