【広がる経済格差】70歳代シニアの単身者世帯・二人以上世帯で貯蓄額と生活費を比較
貯蓄額から経済格差を理解する
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、世帯によってあらわれる貯蓄額の差をみていきましょう。 ・貯蓄額平均:2462万円 ・貯蓄中央値:1604万円 貯蓄額100万円未満が7.9%、貯蓄額4000万円以上が18.8%となっています。 貯蓄している世帯と貯蓄していない世帯の差が広がり、二極化しているのがわかります。 次の章では、70歳代の年金受給額についても深堀りしていきましょう。
【70歳代】年金受給額はいくら受給している?
70歳代の主な収入源の年金額は、生活を満たす金額があるのでしょうか。 厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、70歳代が毎月受給している年金額をみていきましょう。 ●【70歳代】国民年金の平均月額 ・70~74歳:5万7084円 ・75~79歳:5万6205円 ・70歳代の平均年金月額:5万6644円 ●【70歳代】厚生年金の平均月額 ・70~74歳:14万2779円 ・75~79歳:14万6092円 ・70歳代の平均年金月額:14万4435円 70歳代のシニア世代の収入の柱、年金の受給額をみていきました。 次は、年金受給者世帯の1ヵ月の生活費の内訳を詳しく解説します。
年金受給者世帯の1ヵ月の生活費はいくら?
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」から、単身無職世帯と二人以上無職世帯の生活費の内訳をみていきましょう。 ●【65歳以上】単身無職世帯の生活費内訳 〈収入〉 ・社会保険給付:93.2% ・その他:6.8% ・実収入:12万6905円 ・不足分:3万768円 〈支出〉 ・食料:27.6% ・住居:8.6% ・高熱・水道:9.9% ・家具・家事用品:4.1% ・被覆及び履物:2.2% ・保険医療:5.5% ・交通・通信:10.4% ・教育:0.0% ・教養娯楽:10.5% ・その他消費支出:21.2%(うち交際費11.0%) ・非消費支出:1万2243円 ・消費支出:14万5430円 ●【65歳以上】夫婦のみの無職世帯の生活費内訳と収支バランス 〈収入〉 ・社会保険給付:99.3% ・その他:10.7% ・実収入:24万4580円 ・不足分:3万7916円 〈支出〉 ・食料:29.1% ・住居:6.7% ・高熱・水道:8.9% ・家具・家事用品:4.2% ・被服及び履物:2.1% ・保険医療:6.7% ・交通・通信:12.2% ・教育:0.0% ・教養娯楽:9.8% ・その他消費支出:20.3%(うち交際費9.7%) ・非消費支出:3万1538円 ・消費支出:25万959円 ●単身者世帯、二人世帯ともに赤字生活 単身者世帯、二人世帯ともに収入と支出のバランスが崩れていることがわかります。 単身者無職世帯は3万768円、二人無職世帯は3万7916円の赤字です。 この赤字部分を減らすためには、毎月の生活費を抑える、事前に備えていた貯蓄を切り崩す、働く環境があれば働いて収入を増やすなどの方法を考えておく必要があります。