広島・新井監督レギュラー白紙を全選手に通達「横一線のスタート」 4日から秋季日南Cスタート
広島は3日、4日から始まる秋季日南キャンプに向け宮崎入りした。若手主体のメンバーが名を連ねた中、新井貴浩監督(47)は「横一線のスタート」とレギュラー白紙を強調。主力を含めた全選手にその旨を伝えたと明かし、競争激化を期待した。キャンプ期間中は対外試合と紅白戦計9試合を予定。実戦と練習を繰り返し、チームの底上げを図っていく。 日南の宿舎に到着した新井監督の表情には終始、緊張感が漂っていた。来季の覇権奪回に向けた鍛錬の秋が、いよいよ本格始動。指揮官は現状のチームを見渡し「今年、結果が出た選手も来年はまた横一線からのスタートになると思う。それは今の(キャンプに参加している)メンバーじゃなく、全体を集めた時に全員に言っている」と語った。 今キャンプに参加せず調整を一任されている主力組や、侍ジャパンの強化合宿で汗を流す坂倉、小園も例外ではない。「継続して結果を出していくことが大切だし、難しいから。今年良かった選手もまた『横一線のスタートだよ』と」 掲げる基本理念は、同じ土俵の上で競わせるスタンス。各ポジションの椅子が“空席”という大号令は、競争激化につながる。若鯉たちにとっては絶好のチャンス。キャンプ期間中は5日に侍ジャパンと、10、13日は西武と練習試合が予定されている。それに加え、紅白戦は計6試合を行う見込み。昨年は13日間で7試合の実戦を組んだが、今年は14日間で実戦が9試合と多くなった。 その意図を「実戦をこなしていく中で自分が向き合っている課題を把握してもらいたい。取り組みを、どこまでできているのか。そういうことは実戦じゃないと分からない」と説明。試合をフィードバックし、練習で克服に努める。そのサイクルでレベルアップを図ってほしいという狙いがある。 加えて昨年同様、参加選手には事前にリポートを提出してもらった。今季の自分を客観視して、明確にすることが目的。「結果だけを見ていないから、自分が課題としてやるべきことに集中してやってくれと(伝えた)」。指揮官自らも全てのリポートに目を通し、選手各自の“現在地”を共有した。 スイング量を増やした秋季練習から継続して、キャンプでも練習量は増やす方針。「打つ方も走る方も、すべてにおいて去年の秋より量は増えるから」。求めるのは、強い選手の台頭。7年ぶりの覇権奪回を目指す新たな戦いへ、聖域なきサバイバルのゴングが鳴る。