新大関大の里が初陣白星、06年白鵬以来の新大関Vへ好発進 西前頭筆頭の平戸海を下す
<大相撲九州場所>◇初日◇10日◇福岡国際センター 新大関の大の里(24=二所ノ関)が、大関としての初陣を白星で飾った。00年度生まれの同学年、西前頭筆頭の平戸海を破った。 平戸海には取組前までの対戦成績は2勝2敗と互角。難敵な上に、相手はご当所九州、長崎県出身とあって、相手への声援も大きかった。そんな難しい状況の中で白星をつかみ、06年夏場所の白鵬以来、18年ぶりの新大関優勝への1歩を踏み出した。 前日9日に大の里は「初日の入りは難しい。先場所は危ない相撲を取ったので、しっかり準備して頑張りたい」と話していた。今年唯一、2桁白星に届かず9勝止まりだった、7月の名古屋場所は初日に御嶽海に黒星。引きずる格好で2日目も若元春に敗れ、2連敗発進だった。 対照的に先場所は、熱海富士に苦しめられながらも白星を手にすると、勢いに乗ってそのまま11連勝した。だからこそ初日を重視。その中での白星には、大きな意味があった。 今年は初場所の新入幕以来、先場所まで最多の56勝を挙げた。先場所終了時点で年間最多勝争いは、52勝の2位大関琴桜を4勝リードしていた。 新大関場所に加え、年間最多勝争いもあり、今場所の注目を一身に集める状況。これまで券売で苦戦してきた九州場所が、今年は15日間「札止め」となり、その結果、年90日間全て完売という96年以来、28年ぶりの盛り上がりを見せている。 そんな中でも前日は「大関としては初めてなのでどうなるか分からないが、あまり考えずに今まで通りの心構えで頑張りたい」と冷静。この日の朝稽古も、淡々と四股などの基礎運動で汗を流し、気負った様子はなかった。先場所に続き、このまま連勝街道を突っ走るつもりだ。