トヨタ「ノア」「ヴォクシー」に高級路線の「エスクァイア」があったの覚えてる? 「マークII三兄弟」の再来と呼ばれたのは一代限りでした
長男と次男で人気が逆転した
次に、2代目(R70G/W/R型・2007年~2014年)以降も、成長する兄弟の両車は正常進化し続けた。続いて、3代目(R80G/W型・2014年~2021年)では、さらに広々としたインテリア空間設計や低燃費の実現も果たしてきた。 ノアとヴォクシーの違いは、ユーザーたちの人気にも表れていた。新車販売の実績を元に見ると、初代が発売された当初2001年から人気を集めたのは兄・ノアだったが、4年後の2005年頃から形勢が逆転し、弟・ヴォクシーが優位に立つ。2代目となった2014年以降は次男・ヴォクシーの独走状態で、新たに高級路線の三男・エスクァイアが追加されたにもかかわらず、3代目ヴォクシーが多くのファンを魅了したのだった。 三男・エスクァイア(初代 ZRR8#G/ZWR80G型・2014~22年)を振り返ると、3代目ノア&ヴォクシーの発売に遅れてトヨタ店・トヨペット店向け兄弟車として登場。5ナンバーサイズのミニバン兄弟をベースに、より上質感や高級感を持つMクラス高級ミニバンとして新しく生まれたモデルだった。
マークII 三兄弟以来の人気者
クルマに詳しい人なら覚えていると思うが、かつてこのミニバン三兄弟以前に、バン三兄弟が存在した。それが「タウンエース三兄弟」の名で親しまれた「タウンエース/ライトエース/マスターエース」だ。この歴史の系譜が復活したことは、本当に喜ばしいことで、当時も話題になった。 大家族のトヨタ家系を見渡せば、1980~1990年代に一世を風靡した「マークII三兄弟」以来の人気者ともいわれたことを思い出す。 新たにラインアップに加わったエスクァイアの車名については、英語「Esquire」=男性向け敬称の意味に由来する。しかし、そんな期待とは裏腹に1代限りの短命となり、残念ながら2022年1月に販売を終了してしまう。そのため、今後も引き続き、ノア/ヴォクシーの人気争いに注目が集まるだろう。 現行型・4代目(R90W型・2022年~)のノア/ヴォクシーは、洗練されたデザイン、先進装備、価格・燃費性能などを徹底的に比較し、どっちが自分の好みに合っているのか……ぜひ購入前に検討してみてほしい。似ているようでじつは細かく見ていくと全然違うのが、ノア/ヴォクシーの面白いところである。