FCNT、「らくらくスマホ」3年ぶり新モデル--ワイモバイル向け、SIMフリーも用意
FCNTは10月31日、スマートフォン「らくらくスマートフォン」の新モデルとして、「F-53E/a/Lite MR01」の3モデルを発表した。 5000万画素のカメラ搭載 それぞれ、NTTドコモが取り扱うF-53E、ソフトバンクの「ワイモバイル」ブランドが取り扱うa、SIMフリーモデルのLite MR01として展開する。 スペックにもこだわった3年ぶりの新モデル らくらくスマートフォン F-53Eは、2022年2月に発売した「らくらくスマートフォンF-52B」以来、3年ぶりの後継モデルとなる。「ピンク」「ゴールド」「ネイビー」の3色を揃え、2025年1月下旬に発売予定だ。 本体サイズは高さ約151mm×幅71mm×奥行き9.3mm、重さは約172gで、約5.4インチの有機ELディスプレイを採用。持ちやすさにこだわりながらも最大照度は約1.3倍向上したという。 ホーム画面は、基本機能をわかりやすく配置しながら画面操作ミスを抑制したタッチが可能な「標準ホーム」と、一般的なスマホのように使える「シンプルホーム」を用意。シンプルホームは電話帳ショートカットをトップ画面下部に配置可能に変更し、素早い連絡が可能になった。また、文字フォントは従来同様の「UD新丸ゴ」に加え、新たに「UD黎ミン」を加えた。 通話機能では、自分に合わせて相手の声を聞きやすく調整する「あわせるボイス」、ユーザーの周囲環境を検知して通話受話音質を調整する「はっきりボイス」、相手の声の速度を落として通話ができる「ゆっくりボイス」、マスクでこもった相手の声を聞き取りやすく補正する「マスク通話モード」など、聞きやすさを支援する機能を用意。 自分の声が小さい時に自動的に送話音量を上げて相手にはっきり伝える「はっきりマイク」、2つのマイクで周囲の雑音を抑えてクリアな声を相手に届ける「スーパーダブルマイク」機能も搭載し、双方が快適に通話できるとしている。 カメラ機能では、背面に「SONY IMX882」センサーを採用した5030万高画素の広角カメラと、800万画素のマクロ対応超広角カメラを搭載。光学手ブレ補正(OIS)機能やAIシーン認識が被写体を自動認識し、露出・彩度などを最適化するため、暗いシーンでも明るく美しい撮影ができるという。 CPUは「Qualcomm Snapdragon 6 Gen 3」で、RAMは4GB、ROMは128GB、最大1.5TBのmicroSDカードに対応する。電池容量は4000mAh、ホームボタンの指紋認証のほか、顔認証にも対応する。 FCNT プロダクトビジネス本部 副本部長 プロダクトポートフォリオ・マーケティング・営業戦略担当の外谷一磨氏は、「『らくらく(スマートフォン)はスペックが低い、らくらくではできない』という誤解の声があった。しっかり商品として応えていく必要がある」と話す。5000万画素のメインカメラを搭載するなど、使いやすさや安全へのこだわりなどを継続する一方で、スマホとしてのスペックにもこだわったことを強調した。 「ワイモバイル」モデルとSIMフリーも用意--ドコモ以外にも販路を拡大 国内では初めてドコモ以外が取り扱うらくらくスマートフォン aは11月7日、SIMフリーモデルのらくらくスマートフォン Lite MR01は12月6日に発売する。 らくらくスマートフォン Lite MR01はMVNO事業者や家電量販店などのほか、ドコモでも取り扱う。想定販売価格(税込)は5万円前後。 両モデルともに「マゼンタ」「ゴールド」「ディープブルー」の3色展開で、本体サイズは高さ約162mm×幅73mm×奥行き9.0mm、重さは約185g。約6.1インチのHD+ディスプレイを採用し、画面下にはホームボタンを配置した。 文字フォントは読みやすさを重視したUD新丸ゴで、画面や文字をマイクボタンから拡大できる「おまかせズーム機能」、まぶしい屋外などでも画面を見やすくする「コントラスト自動調整機能」などを搭載。ホーム画面は標準ホーム、シンプルホームともに選択可能だ。 CPUは「MediaTek Dimensity 7025」で、RAMは4GB、ROMは64GB、最大1TBのmicroSDカードに対応する。電池容量は4500mAhで、背面には5010万画素のカメラを備える。 安心、安全面の機能は3モデル共通で搭載 3モデル共通の仕様として、OSは「Android 14」で、防水性能はIPX5/IPX8、防じん性能はIP6X、「MIL-STD-810H」に準拠する。丸洗いやアルコール除菌などが可能だ。 電話帳未登録の番号からの着信の際に発信者側に牽制メッセージを伝える「迷惑電話対策」、通話内容から還付金詐欺のリスクを自動で検出し、牽制と注意喚起をして振り込みリスクを抑える「還付金詐欺対策」機能などを搭載する。 FCNTが提供する健康管理アプリ「ララしあコネクト」も搭載。背面カメラ下のセンサーで指先のバイタルデータを読み取り、自律神経を測定できる「自律神経活性度の測定・管理機能」を備える。全身の機能をコントロールする自律神経の活性度を示す自律神経パワーと心身のアクティブ度を示す自律神経バランスの2つを把握でき、測定結果はレポート画面からいつでも見返せるという。アプリ内では自律神経を鍛える行動を紹介し、健康的な生活習慣の実践をサポートする。 シニア向けモデルを継続する理由--「スマホで便利に」は実は不便? 実に3年ぶりの新モデルとなったらくらくスマートフォン。FCNTは2023年からレノボグループ傘下になるなど大きく体制が変わったが、シニア向けモデルの継続を選択したことになる。FCNT 執行役員 副社長の桑山泰明氏は、シニア向けモデルの新機種を出す点についてNRI社会情報システムの調査データを紹介して説明する。 「60歳以上の方々の半分が、スマートフォンを使いこなす自信がない。これは10年前ではなくつい最近のデータで、単純計算で言うと2000万人近くが、スマートフォンを使いこなす自信がないことになる。デジタル庁は2025年までに行政手続きのほぼ全てをオンライン化するとしていて、社会全体のIT化、デジタル化が急速に進んでいる。スマホで簡単に申請できるというサービスは、実は2000万人にとっては便利ではない、不便なのかもしれない」と話した。