「影響を受けたものの存在を隠さずに表現する」Cody·Lee(李)が語る音楽ルーツとライフスタイル
音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。台湾での初ライブからわずか1年でワンマンライブを実施するなど(チケットはソールドアウト)、海外でも精力的に活動を続ける東京発のCody・Lee(李)。個性豊かな4人が語る音楽ルーツとライフスタイルとは。 【撮り下ろし】Cody·Lee(李)ギャラリー Coffee & Cigarettes 53 | Cody·Lee(李) Cody・Lee( 李) がメジャーからの2ndアルバム『最後の初恋』を6月にリリースした。前作『心拍数とラヴレター、それと優しさ』から2年ぶり、新体制になって初のアルバムとなる本作は、これまで以上にバラエティに富んだ意欲作。フジファブリックやティーンエイジ・ファンクラブ、ナンバーガール、モーモールルギャバンなど、自分たちが影響を受けているアーティストをあえてわかりやすくオマージュしたり、隠し味的に散りばめたり、ある意味サンプリングのような曲作りをしているところに個人的には魅力を感じている。 「自分たちが好きなものをミックスしていくというのは、ある意味ではヒップホップの影響が大きいと思います」 そう話すのは高橋響(Vo, Gt) 。「ヒップホップって、サンプリング元を開示するじゃないですか。リリックの中も固有名詞がたくさん出てきて、その人自身の生き様を表現している。Cody・Lee(李) もそうだと思っていて、自分たちの生活がそのまま歌になっていく。だからこそ、影響を受けたものの存在を隠さずに表現することが、自然な流れなんだろうなと最近気づきました」 そんな彼らがシンパシーを覚えるアーティストについて尋ねると、やはり上がってくる名前は過去の作品からの影響を受けつつも、それを自分たちの色として昇華している面々だ。 「僕は海外のアーティストに影響を受けることが多いです」とニシマケイ(Ba, Cho)は言う。「例えばボーイジーニス。3人それぞれがソロで発表していた作品も大好きでしたが、その才能が混ざり合った1stアルバムは衝撃的でした。早速グラミーを獲ったのも頷けますね。それからブラック・カントリー・ニュー・ロードも好き。曲以外の部分、ジャケットやMVなどで見せる独自の価値観に自分も影響を受けています。彼らの音楽にはしっかりとバックグラウンドが見えるところが素晴らしいですね」と語る。「betcover!! もすごいなと思います。組曲みたいに曲が変化していく感じがあって、特に柳瀬二郎くんが映画のサントラを参考にしているっていうのが面白くて。セクションごとに情景が変わっていくような曲構成は、自分の感覚ともリンクするものがあります。同世代のアーティストで、こんな感覚を持つのは初めてかもしれないですね」(高橋) 「僕は同世代のアーティストの音楽はあまり聴かなくて、逆に今はアイアン・メイデンとか、もっとハードロックに寄った音楽を聴いていますね」そう話すのは力毅(Gt, Cho)。「ハードロックのアーティストたちは、ファッションと音楽の両方にしっかりと美学を持っていて、それが自分にも通じるところがあるんです」