【トライアスロン】ニナー賢治が7位入賞、3位に16秒差とパリでのメダルも視界に
<トライアスロン:世界シリーズ横浜大会>◇11日◇横浜市山下公園周辺特設コース 日本男子のエース、ニナー賢治(30=NTT東日本・NTT西日本)が7位入賞を果たした。スイムを9位であがり、バイクでも先頭集団をキープ。ランでは3位争いを引っ張るなど世界のトップと互角に渡り合った。男子日本勢の横浜大会での入賞は、14年の田山寛豪の8位以来、10年ぶりの快挙。3位まで16秒差と、パリ五輪でのメダルも視界に捉えた。 力強く走るニナーの後ろに、世界のトップトライアスリートが続いた。最後の周回で抜かれたものの、一時は3位集団を引っ張る堂々の走り。優勝から遅れることわずかに31秒。だんご状態のまま7位でゴールすると「いいレースができた。世界のトップと戦えた」と笑顔でうなずいた。 オーストラリア人の父と日本人の母を持ち、オーストラリアで育った。21年4月に日本国籍を取得し、日本代表として東京五輪に出場。14位の結果に「まだ上に行ける」とパリを目指した。苦手だったランを強化し、男子のエースに成長した。 パリ五輪選考にかわる今大会は「最も大事なレース」として臨んだ。直前には6週間の高地合宿を敢行。実業団の九電工陸上部の練習に参加し、パリ五輪マラソン代表の赤崎暁とも走った。「走る技術など勉強になった」とランの成長に手応えを得ていた。 世界シリーズの7位は、12年マドリード大会の田山寛豪に並ぶ日本勢男子最高タイ。パリ代表の座も確実にし「メダル獲得のチャンスはある」と言い切った。トライアスロンが五輪競技になった2000年シドニー大会以降、男女日本勢のメダルはゼロ。「自信もある」。ニナーは力強く胸を張った。 ◆ニナー賢治(けんじ)1993年5月26日、オーストラリア・パース生まれ。13歳でトライアスロンを始めた。当初はサッカーなど他の競技もしていたが、18歳から専念。18年からは日本連合所属としてレースに参戦し、W杯や世界シリーズを転戦する。175センチ、67キロ。 ▽エリート男子(1)モーガン・ピアソン(米国)1時間42分5秒(2)マシュー・ハウザー(オーストラリア)1時間42分12秒(3)ルーク・ウィリアン(オーストラリア)1時間42分20秒(7)ニナー賢治(NTT東日本・NTT西日本)1時間42分36秒 ▽エリート女子(1)レオニー・ペリオー(フランス)1時間52分28秒(2)テイラー・ニブ(米国)1時間53分4秒(3)エマ・ロンバルディ(フランス)1時間53分8秒(44)佐藤優香(トーシンパートナーズ、NTT東日本・NTT西日本、チームケンズ)1時間58分45秒 ○…ワールドトライアスロン(旧国際トライアスロン連合)のマリソル・カサド会長は「横浜大会は素晴らしい。(世界シリーズ)14回目を迎えて、いい大会になった」と熱戦に笑顔を見せた。大会を年間王者を決めるシリーズファイナルとして開催する横浜市の希望を受け「前向きなうわさだと思う。山中市長ら市のサポートも大きい」と実現を視野に話した。 <主催>横浜市、日本トライアスロン連合、横浜市スポーツ協会、日刊スポーツ新聞社<メインパートナー>ENEOS、NTT東日本