新型コロナ余波でベテランに危機感…浦和レッズ主将の西川周作が切実心境「僕が監督なら若手を使うかも」
感染拡大が続く新型コロナウイルス禍で2月下旬から公式戦が中断され、再開へ向けたプランも白紙となっているJリーグの今後に対して選手たち、特にベテラン勢に新たな危機感が生じている。 Jリーグは今シーズン限定の措置として、リーグ戦の各カテゴリー間で設けられている昇降格制度のうち、降格を廃止することをすでに決めている。リーグ戦が公平公正に開催できない状況が起こりうることを想定して降格なしの特例を介して各クラブにとって最大の懸念事項をあらかじめ排除した。 公平公正さを欠くとは、例えば再編成される日程でホーム及びアウェイで偏った大型連戦が続く状況や、クラブ内で感染者や隔離者が多数出た場合にユース所属の選手を代替出場させる状況などを指す。J3までを含めた全56クラブの代表取締役や理事長らで構成される実行委員会内でも、侃々諤々の議論があったとJリーグの原博実副理事長が舞台裏を明かしたことがある。 「どうしてもリーグ戦を成り立たせるために、多少の不公平や不公正があっても試合を開催していく、というモチベーションを作りたかった。そう考えたときに、今シーズンに限っては降格という要件を廃止する、という措置を各クラブの実行委員のみなさんに最終的に理解してもらいました」 降格がなくなった状況下で、各クラブの戦い方にどのような変化が生じてくるのだろうか。極端な言い方をすれば、ある意味で勝負を度外視した戦術や選手起用へ舵が切られるかもしれない。もっと踏み込めば、来シーズン以降を見越した世代交代に着手するチャンスととらえるかもしれない。 「今シーズンに関しては降格なしというルールに変わって、ベテランと呼ばれる選手たちはよりいっそう頑張らないといけない、と思っています」 6月で34歳になるベテランで、今シーズンから浦和レッズのキャプテンを務めているゴールキーパーの西川周作は、オンライン会議アプリ『Zoom』を利用して13日に行われたメディアとのウェブ会見で、大会方式が大きく変更されたJ1での戦いへ向けてこんな言葉を紡いでいる。 「逆に僕が監督だったら、若手を使うチャンスのひとつだと考えるかもしれません」